第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

Presentation information

口演

口演46群 疾病を持ち生活する人への支援②

Sun. Sep 29, 2024 9:00 AM - 10:00 AM 第7会場 (中会議室B1+B2+B3)

座長:竹熊 千晶

[口演46-4] 椎体骨折で床上安静治療を受ける患者の思い

看護師に援助を依頼する時に焦点をあてて

檜山 睦海, 森島 一成, 菅家 香織 (水戸赤十字病院)

【緒言】椎体骨折患者はA病院では2週間の床上安静治療後に離床を開始している。入院前のADLが自立していた椎体骨折患者でも、床上安静治療を機に徐々に自分で出来ることも看護師に依頼するようになっている姿が見受けられた。先行研究では、床上安静治療中の患者が安静中に抱えている思いについては研究されているが「患者が自分で出来ることも看護師に依頼するのはなぜか」は明らかになっておらず、看護師と患者では思いに差異があるのではないかと考えた。そのため、看護師に援助を依頼する時の思いに焦点を当てることで、具体的な看護の援助につなげていくことが出来るのではないかと考えた。【目的】椎体骨折で床上安静治療を受ける患者が看護師に援助を依頼する時の思いを明らかにし、看護の示唆を得る。【方法】椎体骨折で床上安静治療を行った4名にインタビューガイドを用いて、インタビューを実施した。逐語録から「看護師に援助を依頼する時の思い」の部分を文脈単位で切片化し、カテゴリー化した。本研究はA病院看護研究倫理審査会の承認(承認番号2)を得た。【結果】研究対象者は4名(男性1名、女性3名)、平均年齢77歳だった。分析した結果、44コード、9サブカテゴリー、4カテゴリーが抽出された。カテゴリーは、[看護師にすべてやってもらおうという気持ちにはならない][安静時に依頼することに抵抗はない][床上安静で仕方なくトイレを依頼する][床上安静解除後は頼みにくくなる]だった。【考察】対象者は床上安静治療中トイレの介助に対しては申し訳なさや致し方ない思いを抱いていたが、看護師に依頼することに抵抗はなかった。床上安静解除後になると看護師の忙しさ見えて頼みにくくなり、床上安静時のようにやってもらえないことに不満を抱いている可能性がある。これは、患者の回復過程においてADLが徐々にアップすることについて看護師と患者間での認識の差異があった。加えて患者は床上安静のようにやってもらいたいが看護師はセルフケア維持のために自分で出来る事はやってほしいという気持ちのずれが生じているのではないかと考えた。このような差異を埋めるために床上安静治療中から床上安静解除後の日常生活についての説明を再度行っていく必要があると考える。【結論】1.腰椎椎体骨折で床上安静治療を受ける患者の思いには、[看護師にすべてやってもらおうという気持ちにはならない][安静時に依頼することに抵抗はない][床上安静で仕方なくトイレを依頼する][床上安静解除後は頼みにくくなる]の4つのカテゴリーであった。2.床上安静解除前に安静度や生活上の注意点、看護師に依頼してほしい内容などを具体的に説明する必要性が示唆された。