第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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口演

口演57群 療養環境の整備

Sun. Sep 29, 2024 1:30 PM - 2:30 PM 第8会場 (中会議室E1+E2)

座長:岩部 仁

[口演57-5] 看護職のモニタアラームに対する意識調査

渡邉 空翔, 安積 早紀, 菊池 亮介 (太田西ノ内病院)

【緒言】先行研究では、患者の重症度やアラームの緊急度、経験年数、モニタ使用台数でモニタアラームに対する看護職の意識、対応方法について明らかにされたものはない。今回、患者重症度やアラームの緊急度等と合わせて、モニタアラームに対する看護師の意識や対応方法について調査する。【目的】モニタを使用する病棟の特殊性と、看護職のモニタに対する意識、対応方法を明らかにする。【方法】横断研究。A病院に勤務する看護職433名を対象に質問紙調査票を作成し調査した。併せて各病棟のモニタ使用状況、重症度医療看護必要度を調査した。結果を集中系、内科外科系混合、外科系病棟にカテゴリ化し単純集計した。A 病院の生命倫理審査会の承認を得て実施した。【結果】調査票回収率81%、内訳は集中系86.1%、内科外科系混合78.8%、外科系病棟81.9%であった。モニタ観察のタイミングは集中系「常に観察」73%、内科外科系混合「アラームが鳴った時38.2%」、外科系「アラームが鳴った時」41.8%で最も多かった。モニタアラーム対応は集中系、内科外科系混合、外科系ともに「すぐに患者のところで観察」が8割超で最も多かった。モニタアラーム対応で困ったことがあると答えた人のうち、「他患者対応でアラームの確認ができない」が内科外科系混合で17.2%であった。モニタアラーム対応に苦手意識があると回答したのは集中系51.4%、内科外科系混合77.4%、外科系73.6%。看護必要度は、集中系病棟平均値A3以上割合100%B3以上97.9%。内科外科系混合病棟平均値A2以上30.3%B3以上59.5%。外科系病棟平均値A2以上35.1%B3以上53.8%であった。【考察】モニタアラーム対応は「すぐに患者のところで観察」が最も多くカテゴリ病棟別の大差がないことが示された。モニタ観察のタイミングと看護必要度を合わせて分析すると内科外科系混合、外科系ではモニタの観察は異常事態を知らせるアラームが鳴った際に行っていることが多いと示された。「すぐに患者のところで観察」という意識を持っていても観察することのできない現状があることが推察された。モニタアラーム対応で困ったことについて、内科外科系混合で「他患者対応でアラームの確認ができない」が他カテゴリと比較し多かった。看護必要度からも日常生活援助を要する患者が多く、すぐに対応できない現状があることが推察された。【結論】本研究では看護職のモニタアラームに対する意識はカテゴリ病棟別に大差なかった。病棟の特殊性や患者状態によって対応方法に違いが生じていることが示された。本研究は調査期間が1ヶ月であり、事前に調査予告があったことからモニタアラームに対する意識が普段より高く、結果に影響した可能性がある。そのため本研究結果だけでは看護職のモニタアラームに対する意識や対応方法について知り得る範囲には限界があると考える。