第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター20群 業務改善に向けた取り組み①

Fri. Sep 27, 2024 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:早尾 弘子

[ポスター20-1] 業務改善による前残業削減の取り組業務み

内服薬の確認方法の見直しを検討して

伊藤 真美, 河野 美由紀 (千里中央病院)

【背景】A病院は400床の慢性期病院で、その内、障害者施設等一般病棟は275床を占める。勤務時間帯では患者のケアや状態の変化に対応するため、看護師の大半は業務準備で前残業を行っている。前残業の内容は内服薬の確認、情報収集、処置準備が大半を占める。今回、業務改善を行い前残業で行われる内服薬の確認の方法を変更し、看護師の前残業時間の削減への取り組みを行った。【目的】業務改善による看護師の前残業時間の削減を確認する。【実践内容・方法】対象は障害者施設等一般病棟(師長を除く)の看護師115名、期間は202X年10月~202Y年2月。業務内容、作業時間に関する質問紙調査を実施した。質問紙の内容は①前残業で実施される業務内容、②内服薬の確認に要する作業時間に関するものであった。内服薬の確認に関して業務フローを見直したところ、薬剤科で内服薬の内容がダブルチェックされているにも関わらず、病棟でも同じ作業が実施されていた。そこで、業務改善として病棟では内服薬の有無の確認のみを行うこととした。①において時間のかかる業務内容、②において内服薬確認の時間、を業務改善前後で比較した。また、業務改善の約半年後に対象看護師へ前残業時間の削減について質問紙調査をおこなった。期間中、内服薬に関するインシデントを集計した。倫理的配慮は本院の倫理委員会の承認を得た。(課題番号2024-2)【結果】115名中99名の回答が得られ回収率は86%であった。日勤と夜勤の看護師は70人、日勤のみの看護師は29人であった。①に関して、業務改善前は内服薬の確認が最も時間のかかる作業であったが、業務改善後は情報収集であった。②に関して、業務改善前は日勤で5~10分が53%、10~15分が19%であった。夜勤では15~20分が31%、20分以上が44%であった。業務改善後は日勤で5分以内が76%、5~10分が24%、夜勤では5分以内が20%、5~10分が39%、10~15分が23%であった。また業務改善半年後の調査では、出勤時刻が10分以上遅くなった看護師の割合が日勤で40%、夜勤で62%であった。業務改善後、内服薬に関するインシデントが1件発生した。臨時処方の配薬に関するものであった。【考察】業務改善により内服薬の確認方法を変更したことで、前残業時間の短縮が果たされた。業務改善は薬剤科との連携によって実施され、業務改善には他部署との連携も重要な視点であることがわかった。前残業時間の削減により時間の余裕が生まれ、看護師の身体的、精神的負担の軽減に繋がると考える。なお、インシデントに関しては、臨時処方の確認手順を変更したことで、今後はインシデントの発生を防ぐことが出来ると考える。【実践への示唆】安全面に配慮しつつも残業削減にむけての業務改善に取り組み、スタッフの身体的、精神的負担の軽減に繋げていきたい。