第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター20群 業務改善に向けた取り組み①

Fri. Sep 27, 2024 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:早尾 弘子

[ポスター20-2] 看護師のWLBに影響する2交代・3交代の勤務体制

木村 羽純, 藪田 萌 (青森県立中央病院)

【緒言】A病院では、3交代制勤務であったが202X年から2交代または混合勤務を導入した。本研究では、勤務体制別にWLB に関する評価を実施したいと考えた。【目的】2交代・3交代の勤務体制が看護師のWLBにどのような影響があるのか明らかにした。【研究方法】202X年に、A病院の一般病棟の看護師を対象に無記名自記式アンケートを実施した。調査内容は、看護師の属性(年代、看護師経験年数、婚姻状況と子どもの有無)、勤務体制(2交代・3交代・2交代と3交代の混合勤務、以下混合)、SWING-J尺度である。SWINC-J尺度は、「仕事→家庭ネガティブ」「家庭→仕事ネガティブ」「仕事→家庭ポジティブ」「家庭→仕事ポジティブ」の4下位尺度から構成され、0~3の4件法である。ネガティブまたはポジティブ体験は点数が高い程、仕事・家庭に影響する傾向が高いことを示す。分析は、記述統計及び勤務体制を独立変数としSWINC-J尺度を従属変数としKruskal-Wallis検定を行った。本研究は、A病院倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号R05-2-044)。【結果】対象166名に配布し、99名から回答を得た(回収率59.6%)。対象者の年代では30代が38名(38.4%)と最も多く、看護師経験10年以上が54名(54.5%)を占めた。対象者の59名(59.6%)が既婚者、子ども有りは49名(49.5%)であった。勤務体制は、2交代のみが42名(42.4%)、3交代が24名(24.4%)、混合が32名(32.3%)であった。夜勤は、10回以上が43名(43.4%)であった。次に、勤務体制別にSWING-J尺度を比較した結果、5%有意水準で有意差は認めなかった。但し、2交代は、3交代及び混合勤務と比較し、「仕事→家庭ネガティブ」中央値7.5、「家庭→仕事ネガティブ」が中央値0.0と最も低く、「仕事→家庭ポジティブ」と「家庭→仕事ポジティブ」は、中央値5.0と3交代勤務と同値で最も高かった。【考察】先行研究では、2交代は3交代に比べ私生活の時間が確保できWLBが充実すると報告されているが、混合勤務に関する報告はみあたらなかった。本研究では、混合が最もWLBを乱す勤務であることが明らかになった。その要因には、混合は、勤務間のインターバルが短く休息が確保できない、長時間勤務による疲労感の蓄積など2交代・3交代の双方のデメリットに加え、混合による不規則な生活リズムがさらにWLBを乱したと考える。【結論】2交代は、3交代及び混合勤務と比較しWLBが充実しており、混合勤務は2交代と3交代に比べ最もWLBが低かった。今後、本結果を基に勤務体制の検討を提案していきたい。