第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

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ポスター

ポスター32群 業務改善に向けた取り組み②

Sat. Sep 28, 2024 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:岩澤 由子

[ポスター32-1] A病院のIVナースが認識している役割についての調査

渡邊 真美 (大阪府済生会富田林病院)

【緒言】A病院において静脈注射認定看護師(以下IVナースと略す)育成を2019年より開始し23名のIVナースが誕生した。石岡らは「エキスパートナースがスタッフの実践モデル、相談窓口になること、指導を行うこと」と述べており、エキスパートナースとしてどのようにIVナースの役割を認識しているのか現状を明らかにした。【目的】IVナースが認識している役割について明らかにする【方法】対象:A病院IVナース19名 (産休・育休を省く)調査期間:令和X年12月12日~21日属性:病棟・外来部門 項目:薬剤の取り扱い、感染面、安全面、化学療法の安全面の4項目、その他は自由記載収集方法:思う~思わない 常に意識している~意識していないの4段階分析方法:記述統計 病棟・外来部門Mann-Whitney 検定 血管確保の有無Kruskal Wallis 検定IVナースの経験年数Spearman相関係数にて評価(p<0.05)倫理的配慮:対象者には個人が特定されないよう匿名化することと情報の管理について、また、学術集会で症例報告として発表することを書面で説明し、同意書をもって同意を得た。A病院の研究倫理審査委員会の承認を得た。【結果】勤務形態:病棟10名外来部門8名血管確保の有無:している8名していない5名化学療法の機会がない5名IVナースの経験年数:1年目3名2年目10名3年目5名薬剤の取り扱い:添付文書18名情報共有12名学習会3名感染面:血流感染17名CVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)管理、ルート消毒、マキシマルバリアプリコーション18名安全面:ダブルチェック、6R、3度の確認、3点認証、インシデント 18名ショック対処16名解剖学的知識17名化学療法時の安全面:マニュアル確認、情報共有 12名業務補完11名血管外漏出時の観察10名カンファレンス8名病棟と外来部門:有意差なし血管確保の有無:している人に解剖学的知識活用(p=0.033)情報共有(p=0.007)血管外漏出観察(p=0.036)IVナースの経験年数:有意差なし各部署に必要な指導内容:投与時間計算 、レジメンの理解、 インフュージョンリアクション時の対応 、ドリップアイ操作方法など【考察】薬剤の取り扱い、安全面、感染面の全てにおいて、ほぼ全員が認識できており、研修内容が活かされていると考える。解剖学的知識の活用、スタッフ間の情報共有、血管外漏出後の観察において、実際に血管確保をしている看護師の方が危機感を感じていると推測できる。各部署において学習会が必要であるという認識を継続してもらうことが望ましいと考える。【結論】1)IVナースが認識している役割は、研修内容を活かすことであった。2)スタッフ指導や学習会の定期開催は認識としてあまりできていなかったが、スタッフ指導 が役割であると認識し、具体的な課題が提示された。3)化学療法に関する実践、連携・補完役割については、血管確保を実践している看護師の方がIVナースの役割として有意に認識していた。