第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

Presentation information

ポスター

ポスター49群 介護・福祉関係施設等における看護

Sun. Sep 29, 2024 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:山川 将人

[ポスター49-5] 重症心身障害児・者へのレクリエーション活動に対する捉えと思い

看護師と生活支援員の語りから

亀山 美由紀1, 樋本 知美1, 彦坂 典子1, 西村 かをる1, 竹内 千夏2 (1.かがわ総合リハビリテーション病院, 2.香川県立保健医療大学)

【緒言】重症心身障害者の高齢化に伴い重症化が進んでおり、レクリエーション活動(以下レク活動とする)の重要性が高まっている。A施設では看護師と生活支援員が協力して患者の日常生活援助とレク活動を行っているものの、両者のレク活動に対する捉えと思いは一致していない。看護師と生活支援員は専門性から対象の捉え方に違いがあるといわれているがレク活動に対する両職種の思いや捉えに関する先行研究は少なく、各職種のレク活動に対する捉えと思いを明らかにする必要があると考えた。【目的】 重症心身障害児・者患者へのレク活動に対する看護師と生活支援員の捉えと思いを明らかにする。【方法】20XX年12月~翌2月にA施設に勤務する研究に協力の得られた重症心身障害児・者への支援に5年以上関わった経験のある看護師4名と生活支援員2名にインタビューガイドを用いた半構成的面接を行った。インタビュー内容はレク活動に対する思いや感じていることとした。分析方法は逐語録からレク活動に対する捉えと思いに関する語りを抜き出し、類似性と相違性に基づきカテゴリー化した。倫理的配慮として所属施設倫理委員会の承認を得た(承認番号23003)。【結果】1.対象の属性:平均年齢・施設経験年数は看護師42歳、10年、生活支援員は34歳、11年であった。2.レク活動に対する捉えは、看護師では『季節や人生の節目の行事を大切にする機会』『心身機能を向上・安定させる日中活動』等4カテゴリーが、生活支援員では『集団で行う行事における患者の良い反応を確認できる機会』『好きな活動を通した自己決定を促す機会』『集団活動を通して成長発達を促す機会』等4カテゴリーが抽出された。レク活動に対する思いは看護師では『レク活動の重要性の実感』『看護業務を並行することの難しさ』『レク活動を主体となって行う生活支援員への感謝』等6カテゴリーが、生活支援員では『企画・運営するスタッフ確保の難しさ』『多職種協働によるレク活動の希望』等6カテゴリーが抽出された。【考察】レク活動に対する捉えとして、看護師はレク活動を重症心身障害児者への心身機能の向上とともに集団活動の楽しみを共有できる時間と捉え身体機能の向上を軸とする一方、生活支援員は集団や個別のレク活動を通して入院中の患者に自己決定を促し、生活の質の向上を促す機会と捉え、生活に軸を置いていることが特徴である。また両職種ともにレク活動の重要性や効果は感じつつも看護師は看護業務と並行してレク活動を行うことの難しさを、生活支援員は単独でのレク活動の企画・運営の調整に難しさを感じており、協力体制に課題があることが明らかになり、多職種で取り組む必要性が示唆された。【結論】本研究により看護師と生活支援員の専門性が反映されたレク活動に対する捉えと思いを尊重して多職種協働によるレク活動の企画・運営に関わる必要性への示唆を得た。