第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター11群 在宅療養移行支援③

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:和田 みどり

[ポスターM-11-1] 訪問看護師の人材育成に必要な訪問看護師OJT 教育評価項目の認識に関連する要因

藤川 裕子 (鈴鹿医療科学大学看護学部)

Keywords:訪問看護師、訪問看護師OJT、人材育成、看護実践能力

【抄録】
【目的】訪問看護師は、地域包括ケアの推進の要として、質の向上が求められている。就業後3 年で困難事例にも対応できるよう目標設定され、以降は自ら学び事業所全体を考え自立して行動できるよう育成が求められる。訪問看護師OJTは、事業所内個別支援教育プログラムとされるが、その重要度に対し、OJT 教育評価項目の認識の程度は明瞭ではない。自立した訪問看護師の教育評価項目に対する、訪問看護師の認識に関連する因子を探る。【方法】3 つの県の事業所の管理者と就業後3 年以上の訪問看護師を対象として、自記式無記名式質問紙法を用いた量的横断研究を実施した。⑴対象者の基本属性と背景、⑵事業所の概要、⑶事業所の教育現状、⑷訪問看護師のOJT 教育評価項目の認識を調査票で尋ねた。教育評価項目の認識は、基本的(職業)能力、専門的能力、組織的(管理)能力の37 項目について、「必要である」「まあ必要である」「あまり必要でない」「必要でない」の4 件法で回答を得た。対象者の基本属性と背景、事業所の概要と教育現状、教育評価項目の認識を単純集計し、教育評価項目の認識と、基本属性と背景、事業所の概要と教育現状について、マンホイットニーのU 検定を行った。統計学的有意水準は5パーセント未満とした。四日市看護医療大学研究倫理審査委員会の承認を得、対象者には、研究趣旨、目的、同意・撤回の自由等について文書で説明し、質問紙の回答・回収をもって、同意とした。【結果】720 事業所に郵送、706 事業所2、118 名を対象とし、276 人から回答を得た(回収率13.0 パーセント)。244 名の分析対象者(有効回答率88.4 パーセント)は、女性244 名、年齢の平均値は48.6 プラスマイナス7.7 歳であった。自立した訪問看護師の人材育成に必要な、OJT 教育評価項目に対する認識には、基本属性や事業所の規模や教育現状が影響し、年齢、雇用形態、訪問看護師経験年数、養成研修受講、延べ訪問件数、入職時教育者、入職時マニュアル、養成研修受講の勧めが関連し、特に多く関連したものは、入職時の教育者による教育、入職時マニュアルの使用、養成研修受講の勧め、養成研修の受講といった教育に関連するものであった。【考察】教育は、自立した訪問看護師の人材育成に必要な教育評価項目に対する、訪問看護師の認識を高めることに影響する重要な因子であることが明らかとなった。