第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター17群 看護教育~看護実践能力~

2022年11月9日(水) 09:30 〜 10:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:渡辺 尚子

[ポスターM-17-5] A 県における2020 年度アドバンス助産師更新の現状調査

服部 桜, 及川 薫, 本田 友美, 馬目 美恵子, 三瓶 まり, 白岩 香子, 舘岡 清美 (福島県看護協会)

キーワード:アドバンス助産師、更新の動機、院内助産、助産師外来

【抄録】
【目的】A 県内に勤務するアドバンス助産師の更新状況の実態調査を行い、現状及び課題を明らかにし支援体制構築の基礎資料とする。【方法】研究デザイン:調査研究 データ収集期間:2020 年1 月~ 2 月 研究対象者:A 県内の産科病床または外来を有する病院・診療所、教育機関や団体等に勤務するアドバンス助産師119 名 データ収集方法:自記式質問紙調査 A 県内の42 施設の管理者に調査依頼説明文書・質問紙を郵送し調査対象となる助産師への配布を依頼、各個人が質問紙に回答、各自封をし返送とした。分析方法:単純集計【結果】アンケート配布数199 部、回収数121 部 (回収率60.8%)、有効回答数119 部 1. 対象者の年齢・更新状況・現在の実践内容 50 歳代(36.9%)が最も多く、次いで30 歳代(28.6%)であった。更新(予定)ありは99 人(83.1%)、その内2020 年度に更新済み55.5%。更新予定なしは16.9%であった。実践内容は、助産師外来52.9%、乳房外来55.5%、院内助産4.2%であった。2. アドバンス助産師取得および更新の動機(複数回答)更新の動機について、個人の知識・技術向上69.7%、院内教育レベルアップ24.4%、上司の勧め16.8%であった。乳房外来実施に必要13.4%、助産師外来実施に必要15.1%、院内助産実施に必要1.7%であった。既に院内助産、助産師外来、乳房外来のいずれか、または全てを実施している施設に所属している81 人(68%)も同じ傾向を示した。3. アドバンス助産師更新への妨げとなっていること(複数回答) 研修や取得の費用70.6%、役立つ場面がない47.9%、学会参加が困難31.9%、NCPR のS コース受講困難17.6%、研修が多く受講困難17.6%、分娩件数が規定数に届かない10.9%、アドバンス助産師を取得しても産科で働けない5.9%であった。【考察】アドバンス助産師更新の主な動機は自己研鑽であった。回答者の約7 割が自施設で助産師外来・乳房外来、院内助産などを実施していたが、それらの実施に必要であることを理由に挙げている者は少なく、更新の動機と結びついていないことが明らかになった。また、半数の人が「役立つ場面がない」と答えており、実践現場で専門性を発揮するためにアドバンス助産師の資格が必ずしも求められていないことが示唆された。