第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター22群 安全・安楽への支援①

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:宮﨑 貴子

[ポスターM-22-3] ブリストルスケール導入による排便記録の表現統一と排便に関する看護師の意識変化

池田 真喜, 佐藤 幸子, 岩崎 優, 大坂 恵理子, 高橋 美喜, 難波 亜季 (日本海総合病院)

Keywords:看護師教育、意識変化、ブリストルスケール

【抄録】
【目的】標準化された排便表記法ブリストルスケール(以下BSS)を導入することで、排便記録の表現を統一するとともに、排便量・排便性状の認識も統一する。また、看護師が患者の排便内容や排便周期を能動的に情報収集するよう意識付けをする。倫理的配慮:院内倫理審査委員会による承認を得た。【方法】BSS 導入にあたり、病棟看護師を対象に認定看護師で構成されているコンチネンスケアチームで部署を分担し、BSS についての概要、メリット、導入目的、方法についての勉強会を1 か月かけて実施し、スケール表を配布した。また、電子カルテ上で排便性状・排便量の記録はBSS を選択入力できるようシステムを変更し、運用を開始した。その後、導入前後と6 か月後に排便記録の記入率と内容について分析調査し、院内通信などで結果を配信した。また、導入前後と2 年半後で看護師に対しアンケートで排便に関する意識の変化について調査した。【結果】排便に関する意識調査によると、BSS 導入後、選択式で入力できた割合は、便性状が71.9%から96.4%、排便量は57.1%から98.1%へ増加した。入院前の排便状況についても「把握している」と回答した人が82%から91.8%へ増加した。排便記録の記入率調査では、正確に記入できた割合が39.2%から71.6%に増加した。記入率は14 病棟中11 病棟が上昇、そのうち6 病棟が目標値の80%を達成した。BSS を「有効」と回答した人は43%から92%へ増加し、自由記載には「排便の情報が把握しやすい」「排泄ケアのアセスメントに活用できる」「統一した観察ができる」という意見があった。【考察】調査の結果、全看護師を対象にBSS 学習会を実施したことで、認知度は100%を達成できた。記録監査の結果、記入率が上昇しており、排便を観察し記録する必要性が理解され、排便に関する意識が向上したと考えられる。BSS 導入前は、看護師の主観で性状と量を手入力していたが、90%以上の看護師がBSS を選択し、記録できるようになり、BSS が定着したと言える。院内BSS通信で監査結果や排便ケアに関する情報を配信することで、以前より排便に関心が高まり、患者の排便内容や排便周期を情報収集しようという意識付けとなった。