第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター23群 看護管理~看護提供体制~

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:春木 邦惠

[ポスターM-23-3] パートナーシップ・ナーシング・システムが看護師のチームワーク意識に与える影響

岡部 愛 (高知大学医学部附属病院)

Keywords:看護チームワーク、パートナーシップ・ナーシング・システム、他者意識

【抄録】
【目的】パートナーシップ・ナーシング・システム(以下、PNS)運用が看護チームメンバー(勤務内と部署内の看護師)に対する意識と看護チームワークに対する捉え方へ与える影響について明らかにする。【方法】調査項目は対象者の属性、辻の他者意識と山口のチームワークの概念より看護の実践場面に即した質問内容を設定し、分析方法は統計学的手法を用いた。研究対象施設は、500 床以上の大学病院と無作為に抽出した病院とし、研究対象者はその施設でPNS 運用を行っている看護師とした。質問紙は内諾の得られた施設の看護部長へ配布し、質問紙は回答者が無記名で記載した後、研究者宛てへ投函してもらうように依頼した。【結果】アンケートは同意が得られ、分析に重要な項目に欠損があった2 名を除く174 名(有効回答率64.7%)を有効回答とした。看護師経験年数の平均は11.1 年であり、4 年目以上で部署の役割を担う割合が高かった。また、PNS 運用を部署のほぼ全員に適応している割合は65%であり、その中でチームワークを感じている割合は95.7%を占めていた。看護師の経験年数を考慮しない分析では、PNS 運用は看護チームメンバーに対する意識と看護チームワークの捉え方に有意差を認めなかった。看護師経験年数4 年目以上と3 年目以下では、看護師経験年数4年目以上で有意差を認めた。看護チームメンバー対する意識と看護チームワークの捉え方の各質問について最尤法により寄与度を確認し、各々3つのカテゴリーに分類して分析を進めた。看護チームメンバーに対する意識では、「メンバーへの配慮行動」の部署内への看護師に対する意識、さらに、看護チームワークの捉え方では、「チーム全体としての在り方」の双方において、看護師経験年数4 年目以上でPNS 運用による影響に有意差を認めた。【考察】PNS では、ペアとの協働により業務やケアが円滑に進むと相互作用を肯定的に受け止め、チームワークが上手く機能していると実感しやすいと考える。また、看護師経験年数4 年目以上では、部署の役割を担う中で看護師へ関心が広がり、部署全体をチームとして捉える視点が養われると考えられる。そのため、看護師経験年数4 年目以上でPNS の導入が進んでいる方がメンバーへの関心やチームワークの重要性を認識する機会が増え、チームワークを機能させるための行動に繋がっているのではないかと考える。