第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター24群 ヘルシーワークプレイス

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:皆本 美喜

[ポスターM-24-1] 幸福度と看護師

-世界幸福度56 位の日本で看護を考える-

岡田 裕有子1, 稲見 聡1, 石川 玄子1, 前野 隆司2 (1.宇都宮病院, 2.慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)

Keywords:幸福度、寛容さ、自己肯定感、持続可能、メタ認知

【抄録】
【目的】世界幸福度ランキングで日本は、GPT、健康寿命など上位にも関わらず、156 か国中56 位と低く、自己肯定感も他国と比較して低い。看護師のメンタルヘルス、ハラスメントなどの課題と幸福度の低さ関する看護研究は、まだ少ない。A 病院の看護職員にIT システムを使ってアンケートし、幸福度と看護師と関連性を調べ、ヘルシーワークプレイスの構築に全職員で取り組む。【方法】倫理的配慮に基づいて対象者から自由意思による承諾を得た。A 病院内科看護職員40 人に、院内SNS ビジネスチャットを用いて、Diener による人生満足度、前野隆司らによる幸福度(幸せの4因子)に関するアンケート法を実施。認知度、関連性などを評価する。【結果】SNS アンケートで40 人全員回答。人生満足度7件法⑴私の人生は理想に近い3.6 ⑵人生はとても素晴らしい状態3.95(3)人生に満足している4.35 ⑷人生で求める大切なものを得た4.58 ⑸人生をやりなおさないだろう3.48(平均19.95 点)幸せの第一因子(自己実現と成長因子:コンピエンス2.68 社会の要望3.68 個人の成長4.0 自己実現3.35)第二因子(つながりと感謝因子:人を喜ばせる5.78 愛情5.7 感謝6.13 親切5.7)第三因子(前向きと楽観:楽観性3.68 気持ちの切り替え3.5 積極的な他者関係4.45 自己受容3.85)第四因子(独立とマイペース因子)社会的比較のなさ4.33 制約の知覚のなさ4.58 自己概念の明確傾向4.55 最大効果の追及のなさ4.73。世界幸福度ランキングを知らない70%。自分の幸福度を考えたことがある42.5%。【考察】幸せの4 因子は、日本人の平均値より低く、前野らの指摘する看護師の特性通り、第二つながりと感謝因子のみが23.3 で高く、第一自己実現と成長因子が13.7 と低い。特に自己有能感は2.68 と最も低く自己肯定感、幸福感のなさの表れかもしれない。誰もが求め、持つべき幸せだが、考えた看護師は半数以下だった。自己犠牲を求める風土や、特にコロナ禍では世界幸福度で日本の順位を下げている他者への寛容さのなさがネガティブな感情をさらに増長させ、自分にも同僚にも厳しさを追求していないか?今、幸福度に注目することで、私たちの業務の在り方やセルフコンパッション、メタ認知などを一緒に学ぶ機会を持つ必要性が示唆され、提案していきたい。