第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター24群 ヘルシーワークプレイス

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:皆本 美喜

[ポスターM-24-2] 今こそ、必要な感情労働と看護師の在り方

-バーンアウトアセスメント尺度で自己分析とストレス対策-

稲見 聡1, 岡田 裕有子1, 安納 秀一1, 石川 玄子1, 榊原 圭子2 (1.宇都宮病院, 2.東洋大学社会学部社会心理学科)

Keywords:感情労働、バーンアウト尺度、メタ認知、看護師像、メンタルヘルス

【抄録】
【目的】感情労働としての看護が、提起されて20 年余がたつが、課題は増加し、特にコロナ禍においては、医療関係者の負担は増える一方である。感情労働や、2019 年に再概念化されたバーンアウトを、知らない者も多い。IT を利用したアンケートで看護師に負担なく、自己を見直す機会を作り、ストレス対策に役立てる。【方法】倫理的配慮に基づいてA病院の看護職員40 人に院内のSNS ビジネスチャットを介して、感情労働、バーンアウトの質問を行って単純集計し、認知度、意識、ストレス対策などを評価した。【結果】回答39人(97.5%)感情労働を(28.2%)看護師が感情労働と(30.8%)知っていた、表層演技にストレスがある(87.2%)ストレス対策がある(56.4%)バーンアウトしそうな時がある(61.5%)、BAT-JC(コア症状)(1)疲弊感:8項目平均(時々を含)76.3%がある(2)精神的距離:熱意を持つ苦労がある(59%)惰性で行動する(46.2%)嫌悪を感じる(23.1%)無関心(15.4%)役に立つ(71.8%)(3)認知コントロール不調はほぼ半々だが、忘れっぽい、気が散る(71.8%)(4)情緒コントロール:コントロール出来ない(48.7%)感情的になる(59%)イライラする(66.7%)、BAT-JS(二次症状)(1)心理的苦痛:不眠(56.4%)緊張やストレスを感じる(76.9%)(2)心身の不調:首肩腰の痛み(71.8%)。【考察】看護師のバーンアウトは以前より指摘されているが、コロナ禍においては、経験のない、先の見えない感染症対策に「極端な疲労、認知的および感情的プロセスを調整する能力の低下、精神的な離脱を特徴とする仕事関連の疲労状態」バーンアウト状態に陥りやすい条件が続いている。疲労感が精神的、身体的ともに82%があると回答され、患者の高齢化による肉体的精神的負担が大きいとしても、看護業務が疲労度が高い事は否定できない。特に、常時疲労感を持つ職員への助言、介入が急務である。また、認知コントロール不調として、30 ~ 40%が集中できないことは、医療安全の観点からも看過できない課題である。バーンアウト症候群が2022 年ICD に定義され、感情疲労の知識が必要(97.4%)という結果からも、定期的な感情労働、ストレス、メタ認知などの情報提供、共有が医療現場には必要と考察された。