第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター24群 ヘルシーワークプレイス

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:皆本 美喜

[ポスターM-24-5] 男性看護職者の看護職継続の意思と職務満足度

赤井 悠介 (清恵会病院)

Keywords:男性看護師、看護職継続、職務満足度

【抄録】
【目的】これまでの看護職者の離職の研究は全看護職者を対象としており、男性看護職者のみを対象とした離職に関する研究は見られない。本研究では男性看護師に着目し、性別における看護職継続の意思と職務満足度との関係性を明らかにした。【方法】大阪府内の研究協力に同意が得られた病床数150 床以上の二次救急指定病院である7 病院に勤務する看護職者を対象とした。自記式質問用紙とし、回収は留め置き法とした。職務満足度の評価はStamps―尾崎翻訳修正版尺度を参考にオリジナルの質問紙を作成した。分析にはSPSSStatistics ver25 を用い因子分析を行った。本研究はA 大学倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】対象者は407名(男性51 名、女性356 名)の看護職である。平均年齢は男性32.1(± 9.6)歳、女性39.0(± 11.6)歳、臨床経験年数では、男性は8.3(± 7.7)年、女性は13.4(± 10.4)年であった。女性はパート等の非正規職員がいたが、男性は全員正職員であった。夜勤回数では男性は4.3(± 2.2)回/ 月、女性は3.0(± 2.5)回/ 月であった。職務満足を比較すると6 因子へ分類できた。男性看護職者では「上司との関係性」にのみ有意(p<0.01)な差が認められ、女性看護職者において「上司との関係性(p<0.05)」と「看護師間の関係性(p<0.05)」に有意な差が認められた。下位尺度では男性看護職者において「上司との関係性」、「給与」に有意な差が認められ、女性看護職者において「上司・医師・看護師間の関係性」に有意な差が認められた。【考察】男性看護職者は多くの女性看護職者の中に配属され、絶対的な人数が少ないため、同性の有資格者が存在し、他人との情報のやり取りができるような相談ができる環境が重要となる。女性看護職者はライフステージに影響されやすいため、良好な人間関係を求めているのではないかと推察する。男女とも、臨床経験年数が高いほど看護職者継続意思は強くあり、臨床経験年数が低いほど、看護職継続意思が低かった。女性看護師が人間関係を重視するのに対し、男性看護職者の離職を防ぐ為には、職務に応じた給与体系を整え、上司との円滑な関係が築けるよう支援することにより職務満足度が上昇し、看護職継続に繋がると考える。