第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター24群 ヘルシーワークプレイス

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:皆本 美喜

[ポスターM-24-4] 男性看護師への役割期待に対する男性看護師のやりがいや負担感の実態調査

- A 病院に勤務する男性看護師への調査を通して-

市澤 三映子, 高野 亜希子 (日本医科大学付属病院)

Keywords:男性看護師、教育、役割期待、支援

【抄録】
【目的】男性看護師が期待される役割に対して感じるやりがいや負担感の実態を明らかにする。【方法】A 病院に勤務する新人から主任看護師の男性看護師を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。先行研究をもとに男性への役割期待があるとされる15 項目に対して「役割として期待されていると感じたことがあるか」「自身の役割として行動したことがあるか」「期待されることによりやりがいを感じるか」「期待されることにより負担に感じるか」の質問を4 件法により回答を得て、単純集計を行なった。【結果】対象者122 名に配布し、57 名から回答が得られ、欠損値のない56 名から有効回答を得た(有効回答率98.2%)。「役割として期待されていると感じたことがあるか」については、男性への役割期待があるとされる15 項目全てで「とても当てはまる」「やや当てはまる」の回答が、「全く当てはまらない」「あまり当てはまらない」の回答より上回っていた。中でも「体力腕力の強さ」「男性患者への対応」「患者不穏場面での対応、または受け持ち」「高圧的な患者の対応、または受け持ち」は回答者の90%以上が「とても当てはまる」「やや当てはまる」と回答していた。「自身の役割として行動したことがあるか」についても、全ての項目で「とても当てはまる」「やや当てはまる」の回答が「全く当てはまらない」「あまり当てはまらない」の回答より上回っていた。「期待されることによりやりがいを感じるか」については「体力腕力の強さ」の項目の「とても当てはまる」「やや当てはまる」の回答が62.5% と最も多く、ついで「患者不穏場面での対応」57.1% であった。「期待されることにより負担に感じるか」については「意見を発言することの積極性」の項目の「とても当てはまる」「やや当てはまる」の回答が60.7% と最も多く、ついで「リーダーシップ」55.3%、「高圧的な患者の対応」53.5% であった。【考察】男性看護師は役割期待を感じ行動していた。支援者は、男性看護師の存在がチーム全体の強みとなることを認識し、男性看護師とチームメンバーに存在価値が実感できるようにする必要性がある。一方、男性看護師だからと知識や技術、コミュニケーションスキルを期待されることは負担感が大きい。そのため個人の適性やスキルを見極めること、個としての認識を伝えることの重要性が示唆された。