第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター26群 新型コロナウイルス感染症下の看護~感染対策~

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:西村 路子

[ポスターM-26-1] 一般病棟における新型コロナウイルス感染症透析患者を受け入れるためのゾーニングによる感染予防対策と今後の課題

田邉 明子1, 森上 由美子1, 塩見 和子2 (1.しげい病院, 2.新見公立大学健康科学部看護学科)

Keywords:透析患者、新型ウイルス感染症、ゾーニング、感染予防、一般病棟

【抄録】
【目的】一般病棟における新型コロナウイルス感染症透析患者を受け入れるためのゾーニングによる感染予防対策の実践から、今後の課題について明らかにした。【方法】1)研究対象期間:2020 年11 月から2022 年2 月まで。2)調査内容:A 病院のB 病棟におけるゾーニングによる感染予防対策の実際。3)分析方法:研究対象期間に行ったゾーニングによる感染予防対策の振り返り。4)倫理的配慮:本研究は病院内の倫理審査会の承認を受けて実施した。(A 病院倫理委員会第2022-004 号)。【結果】新型コロナウイルス感染症の透析患者は、重篤化しやすく原則入院治療とされていることから、A 県の透析基幹病院として、新型コロナウイルスに感染した患者が入院治療をできるように、行政と連携を図り体制整備を行った。B 病棟では、2020 年11 月より一般病棟をゾーニングし、感染対策マニュアルの作成と新型コロナウイルス感染症患者の入院受け入れを開始した。B 病棟の41 床を減床し、南と北のエリアにゾーニングを実施し、感染対策に必要な個人防護具、手袋、N95 マスク、メディカルキャップなどの必要物品を準備した。南エリアを従来の一般病床として25 床、北エリア内に2 室の個人透析室と6 床の入院病床を確保した。2022 年2 月末までに30 名の患者を受け入れ、ゾーニングにより懸念された二次感染は発生していない。【考察】一般病棟内をゾーニングし、新型コロナウイルス感染症患者の透析と入院治療が安全に実践できた。これは、感染予防対策マニュアルの整備、これに基づく確実な感染予防対策の実施、感染対策上有効とされる物品の積極的使用などの成果と考える。新型コロナウイルスワクチンは、完全に発症を防ぐことはできないため、3 回目の追加接種が行われても一定数の新たな患者は発生すると考える。今後も患者と職員の安全を守りながら、透析基幹病院として地域医療に貢献していく必要があると考える。今後の課題として、新型コロナウイルス感染症患者受け入れエリア内で勤務可能な職員を育成し、一般病棟の減床による円滑なベッドコントロールなどの課題が明らかとなった。