第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター26群 新型コロナウイルス感染症下の看護~感染対策~

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:西村 路子

[ポスターM-26-2] 自己チェック表が標準予防策遵守率に及ぼす影響

-個人防御具の適正使用に焦点を当てて-

渡辺 彩奈1, 大屋 裕介1, 森田 みどり1, 山内 京子2 (1.広島はくしま病院, 2.広島文化学園大学看護学部看護学科)

Keywords:個人防御具(PPE)、自己チェック表、適正使用

【抄録】
【目的】個人防御具(以下、PPE)の適正使用に、自己チェック表の活用がどのように関係するのかを行動変容を中心に分析、その結果を検討した。【方法】A 病院B 病棟の看護師21名を対象に、4.6.8 月に自己チェック表を活用、PPE に関する実施状況を確認した。自己チェック表の構成は、研修参加の有無、PPE について、PPE 着脱についての計38 項目から成る。評価は「常に出来ている」「50%以上出来ている」「50%未満出来ている」「全く出来ていない」の4 段階とし、得られたデータを単純集計した。A 病院倫理委員会の承認を得て実施(承認番号20-2)、研究への参加は自由意志であること、個人は特定されないこととし自己チェック表の回収をもって同意を得たものとした。【結果】回収率は1 回目95%、2 回目80.9%、3 回目61.9%とバラつきを認めたが、「常に及び50%以上出来ている」の割合は増加した。手袋では1 回目から「常に及び50%以上」を合わせ97.7%と高く、エプロンは「常に及び50%以上」が1 回目は80.4%が3 回目には96.9%に上昇、マスクは3 回目に100%となった。一方、ゴーグルは1回目の「常に及び50%以上出来ている」が39%、3 回目でも49%と低かったが、「全く出来ていない」は40%から25%に減少した。化学療法や吸引では70 ~ 80%と高いがその他の処置では低かった。PPE 着脱については「常に及び50%以上」は5.5%の上昇とほとんど変化がなかった。【考察】標準予防策が十分に実施されない要因に個々人の自覚の欠如が挙げられる。今回、回収率にバラツキはみられたが、手袋、エプロン、マスクについては3 回目に90%以上と行動変容を認めた。一方、ゴーグルはこれらに比して遵守率が低く、自己チェック表を活用することの効果を認めることは出来ていない。また着用状況には処置行為等による違いもあり、PPE 着脱の遵守率の低さと合わせて、今後は自己チェック表の項目内容の再編の検討、行動変容を促すための遵守率の状況に合わせた知識・技術の強化等が課題となる。