第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター27群 看護教育~新型コロナウイルス感染症下における基礎教育~

2022年11月9日(水) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙𣘺 久美

[ポスターM-27-3] コロナ禍で実施した3年次の老年看護学実習における多職種連携に関する学修成果

中角 吉伸, 重久 加代子 (宮崎県立看護大学看護学部看護学科)

キーワード:老年看護、多職種連携、学内実習

【抄録】
【目的】本研究の目的は、コロナ禍のなかで取り組んだ3 年次の老年看護学実習における多職種連携に関する学修成果を明らかにすることであった。【方法】感染拡大を考慮して冬期までの前半に1.5 週,残りの後半に1.5 週の実習を行い,学ぶ機会の公平性を担保した。感染状況に応じて臨地・学内・リモート実習の組み合わせを想定し,学内実習ではテーマカンファレンス等の学修機会を意図的に提供するなど実習計画を工夫した。その結果,これまでと差異のない学修成果を体感し,実習目標の一つである多職種連携に関する学修の深化は臨地以上の成果が得られた。そこで,前半1.5 週の臨地実習と後半1.5 週の学内実習(リモート含む)で研究者が指導した23 名の学生の評価表と最終報告会資料を研究対象とし、多職種連携の学修成果を分析した。データ分析は,2 種類の記録より自己の課題への気づきを含めた学びを実習目的・目標に照らして抽出しコード化して,内容の類似性と相違性に沿って分類し学修成果の視点でカテゴリ化した。研究者と共同研究者の意見が一致するまで検討して決定することで,分析の信頼性の確保に努めた。学生には研究協力は自由意思であり,分析開始まではいつでも撤回できるなどを伝えて同意を得た。【結果】73 コード,12 サブカテゴリ,4 カテゴリが抽出された。「テーマカンファレンスによる多職種連携の学びの深化」など3サブカテゴリより『多職種連携に関する理解の深化』のカテゴリ,「チーム医療における看護記録の在り方の理解」など4サブカテゴリより『チーム医療・多職種連携における看護の果たす役割の理解』,「多職種連携や協働の在り方を知ることによる看護の発展への学び」など3 サブカテゴリより『多職種連携がもたらす看護の発展の体験』,「多職種連携におけるよりよい看護の提供に向けた自己の課題の明確化」など2サブカテゴリより『自己の看護観の変化や課題の明確化』であった。【考察】分析の結果,多職種連携に関する学びが数多く抽出され,看護記録の在り方などこれまで学修成果として確認できなかった内容が明らかになり,これらは実習目標およびその細目を網羅していた。これらより,臨地実習は短縮されたが,実習体験を踏まえた知識の獲得や順序性をもって意図的に課題を提供できる学内実習の強みを踏まえた実習計画により,多職種連携に関する学修成果を得られることが示唆された。