第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター31群 看護管理~質管理~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:中村 くに子

[ポスターM-31-3] 副主任のスタッフへの関りによってもたらされる影響

大塚 那名, 二見 叶子, 小高 真弓 (総合東京病院)

Keywords:副主任、ソーシャルサポート、プロセスレコード、行動変化

【抄録】
【目的】A 病院に在籍している中堅看護師層の離職を希望する声が平均7%と多く聞かれていた。事前アンケート結果では、離職理由はライフイベントだけではなく、労働環境によるものもある事がわかった。そこで、アンケートで抽出された「やりがい」や「管理職との関係」について着目をした。副主任として、スタッフに必要なソーシャルサポートを行い、それによりスタッフが看護職としての仕事を継続する行動変化がもたらされるよう、副主任の接し方がどのような影響を及ぼしているか明らかにすることにした。【方法】A・B・C各病棟の副主任3 名がプロセスレコードを用いて振り返りを行いコード化、カテゴリー化し5月の関わり方とソーシャルサポートを意識して関わった9月を比較分析した。対象者には説明同意を得て実施した。【結果】5 月のプロセスレコードでは「原因を考える」「相手を客観視する」「相手を心配する」「スタッフへの思い」「表情観察」のカテゴリーが抽出された。9 月のプロセスレコードでは「一緒に考える」「成長を感じる」「相手を認める」のカテゴリーが抽出された。【考察】5 月と9 月を比較し、共にカテゴリーの分類としてはスタッフに対しソーシャルサポートを行うことができていた。しかし5 月では「相手を心配する」などスタッフのへの心情に配慮しながらも「原因を考える」とことに意識が向き、スタッフに寄り添うことができていなかった。そのため、表情や言動の変化を感じることが少なく「表情観察」カテゴリーで「釈然としない表情」として現れたと考える。逆に9 月ではスタッフに寄り添い、表情や言動をよく観察することでよりそのスタッフの思いをとらえることができ、スタッフと一緒に考えを導き出すこができていた。そのため「成長を感じる」カテゴリーで「うれしそうな明るい表情になった」「話を前向きに聞いてくれる」という変化を感じられたのだと考える。副主任が一緒になって寄り添う行動をとり、表情の変化に気づき対応し、見守る姿勢をもつことで相手の前向きな行動変化へとつながっていることが分かった。しかし、誤ったソーシャルサポートを実施すると、相手の後ろ向きな言動や負の感情の影響がでてくることが分かった。今後もスタッフとの場面を振り返り、今回気づけた関わり方が継続できているか確認していくことも必要である。