第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター32群 リスクマネジメント②

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:森田 恵美子

[ポスターM-32-3] パートナーシップ・ナーシングシステム導入による内服関連インシデントの減少効果と看護師の負担感について検証する

三村 博美1, 田中 美琴1, 関屋 美月1, 赤井 由紀子2 (1.みたき総合病院, 2.四天王寺大学看護学部)

Keywords:パートナーシップ・ナーシングシステム、インシデント、看護師、負担感

【抄録】
【目的】A 病棟は、内科・外科他混合45 床、10 対1 看護の一般急性期病棟である。現在の固定チームナーシングシステムでは、時間外勤務や看護師の負担感につながっていた。また、内服薬に関するインシデントが繰り返し起こる傾向にあった。そこで、パートナーシップ・ナーシングシステム(以下PNS)を導入することで、繰り返し起こるインシデントが減少し、看護師の負担の軽減に繋がるかを明らかにすることを目的とした。【方法】令和2 年4 月~令和3 年12 月をPNS導入期間とし、A 病棟に勤務する看護師21 名を対象に、PNS導入前後で看護体制、内服管理方法についてオリジナルの質問紙を作成し調査した。調査内容は、年齢、性別、経験年数、PNS経験の有無、現在の看護体制についての意見、内服管理の意見は自由記述にて回答を求めた。研究者の所属する病院臨床研究倫理委員会の承認を得て実施した。分析にはSPSS Statistics ver25 を用いχ2 検定、自由記述は質的帰納的に分析した。【結果】PNS経験のある看護師が4 名であった。PNSの経験の有無別に、インシデント経験とインシデントの内容について分析した結果、PNSの経験の有無によるインシデント経験については有意な差がなかった。PNS導入前後で内服インシデントレベルを比較すると、PNS導入後にはレベル2 が減少し、レベル1 の割合が増加した。看護師の負担に関しては、PNS導入のメリットとして〈仕事の進めやすさと新たな学び〉、デメリットとして〈ペアとの関係への戸惑い〉が挙がった。【考察】結果からPNS導入後では、導入前よりレベル2 のインシデントが減少し、レベル1 の時点でインシデントを早期に発見することができた。ペアで確認を行うことで確認動作が緻密となり、より早い段階でインシデントの発見につながったと考える。また、看護師の負担に関しては、これまで一人で行っていた自己完結型の業務をペアで分担して患者のケアや処置を行うことで、タイムリーに記録の記載ができるようになたっため、業務を円滑に進めることができるようになった。デメリットとして、ペアに対する遠慮や気遣いにより相手に合わせてしまい、自身の思いとペアの相手との看護観の違いによるものから、コミュニケーション不足を招いた可能性がある。今後PNS継続のためには、PNSマインドの醸成が不可欠である。