第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター34群 看護教育~基礎教育~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙𣘺 久美

[ポスターM-34-4] 感染予防に留意した看護基礎教育におけるあり方の検討

-感染予防に取り組んだ看護教育に関する先行研究の動向からの考察-

原田 江梨子1, 鍛治 葉子2, 大井 美紀2 (1.元甲南女子大学看護リハビリテーション学部看護学科, 2.梅花女子大学)

Keywords:感染予防、看護基礎教育、看護学生、臨地実習

【抄録】
【目的】新型コロナウィルス感染症(以下、感染症)流行拡大の環境において、看護に必要な知識・技術の習得、態度を育成する、安全な環境下での看護基礎教育の展開が求められている。そこで、感染予防に留意した看護教育について知見を得るため、先行研究の動向を調査した。【方法】2012 年~2021 年、医中誌とCiNii に「感染予防」「看護教育」「教育手法」のキーワードで登録された116 件から、追跡可能な32件を選出し、感染予防に留意した看護基礎教育に必要な取組みついて考察した。【結果】選出した文献は原著19 件、報告11 件、資料と総説は各1 件、研究デザインは量的研究11 件、質的研究4 件、量的質的兼ねた研究は11 件であった。研究対象は、学生の記述内容や評価23 件、教員による講義・演習・臨地実習に関する内容や評価11 件、そのうち2 件は学生と教員に双方による内容で、全て横断的研究であった。感染症流行拡大前の文献は、学生の認識や思い、教員による臨地実習での感染対策の取組みの実態と課題の記述であった。一方、感染症流行拡大後の文献は、オンラインによる講義や演習の遠隔授業、紙上事例やシミュレーションを取入れて実施した臨地実習の代替実習で明らかになった内容から究明したことや課題、今後感染症流行拡大環境で実施可能な演習と臨地実習の形態と内容、学生への対応など、感染症流行前に実施していない目標達成のための取組みについての対策に記述していた。また、遠隔授業や代替実習を体験した学生の感染予防に関する意識や感染予防行動の実態から、臨地実習できない不安を緩和する支援や学習環境調整の必要性、事前学習やプログラムやマニュアルの作成、補完授業など、先を見据えた授業計画や想定できる教育内容および方法が展開する準備が重要であることが明らかになった。【考察】感染症拡大収束が予測できない状況において、看護基礎教育を受ける時期に、感染予防に関する知識および感染予防行動に関する学習は、感染予防に対する意識を高め、主体的に感染症予防行動を実践する能力を習得し、健康な状態を維持して学習することを可能にする。そこで、看護学生は感染予防に関する知識と感染予防行動の実施状況、看護基礎教育に携わる者は感染予防に関する教育の実施内容を、其々縦断的に検証し、状況に応じて感染予防に留意した授業や臨地実習を展開する必要があると思われる。