[ポスターM-4-6] コロナ禍における新人看護師教育の考察と課題(第2 報)
-新人38 名のピアサポート-
Keywords:コロナ禍、同期、ピアサポート
【抄録】
【目的】新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、どの施設においても新人教育形態の変更や研修の短縮化などの調整を余儀なくされた。A 病院はコロナ病棟の編成に伴う配置変更や業務量の増加の影響を考慮し、1 か月間新人を部署外で教育することとした。その結果新人の離職率は、前年度の17.2%から7.9%へと減少した。この教育方法が及ぼした影響について考察し、課題についても明らかにしたので報告する。【方法】2021 年3 月よりコロナ第4 波が到来し、A 病院はHCU を含む4 部署がコロナ対応のため閉棟し、2 部署がコロナ専用病棟として稼働していた。通常通り稼働している病棟も多忙を極めていため、この状況下で新人の受け入れは躊躇していた。そこで閉棟していた病棟をラボ室化して、教育委員長と副委員長の2人で、1か月間新人38 名を教育することとした。新人教育の形態は、各委員会の協力のもと前年度に行ったハイブリット型研修を取り入れた。年度末に1年を振り返って、自由記載形式で新人から意見をもらった。倫理的配慮として、対象者に研究実施公表の同意を得て、記載内容は個人の特定ができないよう匿名で収集した。【結果】記載内容は、同期全員と顔見知りになれて良かったという内容が66.7%、配属先に行くまでに技術が身についたが22.2%、配属が1か月遅れることで複雑な気持ちが2.8%、その他が8.3%であった。具体的には、「他部署で頑張っている同期を見て励まされた。」や「同期が居るから孤独感を感じなかった。」「辛いときは同期に支えてもらった。」「他部署に応援に行った際、相談ができた。」「他部署の同期と廊下で会って情報交換できた。」等の意見があった。【考察】1か月間の研修中は毎日グループ編成を行い、意図的に全員が知り合えるようにした。結果、1か月の研修が終わる頃には、お互い全員の顔と名前が一致して、更衣室や廊下ですれ違った時ピアサポートできていた。山口らの研究でも、離職防止・実践力の定着において、同期は先輩看護師・上司とともに重要な支援他者であることが明らかとなっている。同期同士の横のつながりが、コロナ禍においては特に重要で就労継続のキーになり得るといえる。今回の経験を活かし、来年度以降も通常のコミュ二ケーションは困難な状況下で、同期の横のつながりを強化し、ピアサポートできる新人看護師教育を継続することが課題である
【目的】新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、どの施設においても新人教育形態の変更や研修の短縮化などの調整を余儀なくされた。A 病院はコロナ病棟の編成に伴う配置変更や業務量の増加の影響を考慮し、1 か月間新人を部署外で教育することとした。その結果新人の離職率は、前年度の17.2%から7.9%へと減少した。この教育方法が及ぼした影響について考察し、課題についても明らかにしたので報告する。【方法】2021 年3 月よりコロナ第4 波が到来し、A 病院はHCU を含む4 部署がコロナ対応のため閉棟し、2 部署がコロナ専用病棟として稼働していた。通常通り稼働している病棟も多忙を極めていため、この状況下で新人の受け入れは躊躇していた。そこで閉棟していた病棟をラボ室化して、教育委員長と副委員長の2人で、1か月間新人38 名を教育することとした。新人教育の形態は、各委員会の協力のもと前年度に行ったハイブリット型研修を取り入れた。年度末に1年を振り返って、自由記載形式で新人から意見をもらった。倫理的配慮として、対象者に研究実施公表の同意を得て、記載内容は個人の特定ができないよう匿名で収集した。【結果】記載内容は、同期全員と顔見知りになれて良かったという内容が66.7%、配属先に行くまでに技術が身についたが22.2%、配属が1か月遅れることで複雑な気持ちが2.8%、その他が8.3%であった。具体的には、「他部署で頑張っている同期を見て励まされた。」や「同期が居るから孤独感を感じなかった。」「辛いときは同期に支えてもらった。」「他部署に応援に行った際、相談ができた。」「他部署の同期と廊下で会って情報交換できた。」等の意見があった。【考察】1か月間の研修中は毎日グループ編成を行い、意図的に全員が知り合えるようにした。結果、1か月の研修が終わる頃には、お互い全員の顔と名前が一致して、更衣室や廊下ですれ違った時ピアサポートできていた。山口らの研究でも、離職防止・実践力の定着において、同期は先輩看護師・上司とともに重要な支援他者であることが明らかとなっている。同期同士の横のつながりが、コロナ禍においては特に重要で就労継続のキーになり得るといえる。今回の経験を活かし、来年度以降も通常のコミュ二ケーションは困難な状況下で、同期の横のつながりを強化し、ピアサポートできる新人看護師教育を継続することが課題である