第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演11群 看護教育~基礎教育②~

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 口演会場4 (102)

座長:勝山 貴美子

[口演M-11-3] A 看護系大学生の考えるCOVID-19 の感染拡大における看護管理者の役割

竹崎 和子, 門倉 康恵 (吉備国際大学保健医療福祉学部看護学科)

キーワード:看護学生、看護管理、COVID-19

【抄録】
【目的】A 看護系大学は看護管理論の授業目標に「看護を取り巻く多様な状況から、看護管理の直面する課題とその背景を理解できる」を設定している。2019 年に発生した新型コロナウィルス感染症(以下COVID-19)は世界的流行に拡大し、WHO は2020 年にパンデミック宣言をした。突発的緊急事態時、看護管理者には医療状況の激変に伴い多様化するニーズに対応できる体制整備等の多面的な看護管理が希求されている。本研究目的は看護管理論を履修した学生の、未曾有の事態であるCOVID-19 感染拡大における看護管理者の役割に関する学びを明らかにすることである。【方法】対象:2021 年度A 大学看護学科4 年次看護管理論を履修した57 名中研究参加に同意した55 名の「COVID-19 の感染拡大における看護管理者の役割」のレポート。調査期間:2021 年7 月。分析方法:COVID-19 の感染拡大における看護管理者の役割に関する学びを抽出し質的帰納的に分析した。倫理的配慮:吉備国際大学倫理審査委員会の承認を得た。対象者に研究趣旨、匿名性の保証、成績等への不利益が無いこと、自由意思の参加であること等について文書と口頭で説明し同意書で同意を得た。本研究における申告すべき利益相反はない。【結果】186 記録単位の分析結果から、COVID-19 感染拡大下で安全で安心な医療環境を提供するための『感染予防対策の徹底』、医療従事者への誹謗中傷、家族への差別的対応に対処するための『医療従事者の人権擁護』、看護職の離職につながる精神的負担を軽減するための『看護職のメンタルへルス』、看護師の長時間勤務や人員不足等に対処するための『新たな勤務体制の構築』、看護管理者の役割遂行に必要な『自己の健康管理』の6カテゴリーが形成された。【考察】学生は看護管理論の履修により、COVID-19 感染状況に関心を高めタイムリーに正確な情報を収集する必要性、想定外の緊急事態発生時の危機管理能力の発揮、看護実践の困難感、医療従事者への偏見、差別的言動等倫理的課題への対応、自己管理の重要性などCOVID-19 感染による看護を取り巻く多様な状況変化に応じた質の高い看護に必要な看護管理の要素を理解している。授業目標を達成する成果を得ており、授業内容を継続する方向性について示唆を得た。