第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演16群 新型コロナウイルス感染症下の看護~面会制限下の患者・家族への対応~

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM 口演会場6 (104)

座長:北野 貞

[口演M-16-4] 面会制限下で一般病棟看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した家族への対応に関する記述式質問紙調査

小倉 駿太郎, 津田 千裕, 篠田 桐依 (東邦大学医療センター佐倉病院)

Keywords:新型コロナウイルス感染症、一般病棟、面会制限、家族看護

【抄録】
【目的】コロナ禍による面会制限下で、一般病棟看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した家族への対応を明らかにする。【方法】A 病院の実務経験1 年以上の一般病棟看護師を対象に質問紙調査し、実務経験年数をベナー看護理論のドレイファスモデルを用いて分類した。看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した対応と理由に関する自由記載は記録単位とし、類似した記録単位を院外指導者の助言を受けカテゴリ分類した。【結果】対象者238 名に配布し、回収率50.8%、有効回答率26.4%であった。家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した対応は、47 記録単位から7 同一記録単位が構成され、同一記録単位から<看護師が家族・患者の思いを汲み取り、橋渡しを担った><家族の希望に応えて、面会に替わる方法を援助した>の2 カテゴリが構成された。家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した理由は、30 記録単位から6 同一記録単位が構成され、同一記録単位から<家族が温かい言葉を看護師に表出した><家族が和らいだ表情を看護師にみせた>の2 カテゴリが構成された。【考察】看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した対応として<看護師が家族・患者の思いを汲み取り、橋渡しを担った><家族の希望に応えて、面会に替わる方法を援助した>が挙がり、看護師は家族の思いに気づき、家族と患者がお互いの存在を感じられるよう対応していたと考えた。看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した理由である<家族が温かい言葉を看護師に表出した>や<家族が和らいだ表情を看護師にみせた>では、家族の反応を看護実践の評価として捉えていたことが予測された。看護師は、家族の不安や心配・希望の思いを客観的情報として捉えアセスメントし、必要な看護を計画、対応後の家族の反応から看護実践の評価を行っていた。このことから、家族と患者の思いを情報として精神的なつながりを保つことができたと実感した対応の過程および実感した理由のカテゴリには、看護過程の構成要素が含まれているのではないかと推察された。面会制限下でも看護師が家族と患者の精神的なつながりを保つことができたと実感した要因の一つとして、看護師の家族への関わりが看護過程に基づいた対応であったことが示唆された。