第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演25群 災害看護

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場2 (303)

座長:城尾 恵子

[口演M-25-3] COVID-19 疑い病棟での災害対策を振り返り今後への課題

猪俣 朝美, 下重 夏香, 渡邉 由香 (東京医科歯科大学病院)

Keywords:COVID-19 疑い病棟、災害訓練、感染対策

【抄録】
【目的】A 病院は2020 年から新型コロナウイルス感染症受け入れ病院となりCOVID-19 重症病棟、中等症病棟、疑い病棟と区別し対応している。疑い病棟で個々の患者に合わせた感染対策が必要なため、COVID-19 流行前とは災害時の避難経路や手順が異なる。そのため、実践的な災害訓練を行い、問題点・課題を明確にして現状に則した災害対策を検討する。【方法】COVID-19 の流行に伴い2020 年に作成したアクションカードを疑い病棟で働く所属固定看護師、ローテーション看護師、病棟医長、放射線科医師、看護補助者、クラークを対象として病院で指定された地震設定で災害訓練を行った。訓練を行う前に2020 年度の疑問点を感染制御部と話しあい災害対策時の遵守すべき感染対策を明確にして病棟内で告知した。患者設定はA 病棟で入院することの多い疾患とした。地震発生から感染対策上、避難場所が異なる看護師とiPadを用いて安否確認を行い、報告するまでを一連の流れとした。その後、参加者全員で訓練の振り返りを行った。後日、所属固定看護師にのみアンケートを行い集計した。アンケートは自由意志を尊重し、個人情報保護に基づき行い、無記名自記式アンケートとした。【結果】3回にわたり災害訓練を実施し、病棟の要となる所属固定看護師13 名全員に実践できた。アンケート回収率は100% であり「アクションカードをみて行動できたか」では出来たが92%、「感染対策を考えた行動について」は出来たが92% の回答であった。「隔離環境下であり自分以外のスタッフの行動がわかりづらい」との意見もあった。「災害訓練実施間隔について」は77%が6ヶ月毎に訓練を行うのが望ましいとの回答であった。【考察】部署においては、所属固定看護師が中心となりローテーション看護師へ指導しながら業務実践する体制となっている。取り組みを所属固定看護師に絞って実施したことで部署の特徴を踏まえた災害対策へのイメージ化が出来、スタッフの不安の軽減に繋がったと考える。一般病棟と異なり感染経路別の対応が求められるため今後も6 ヶ月毎の訓練が妥当であると考える。また、アンケート結果から、アクションカードを用いた災害対策は特殊な条件下にあっても有効であることが示唆された。一方で、避難場所が屋外の場合、防護具の着用が風雨等天候に左右されやすい点も分かり今後の課題として検討していきたい。