第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演41群 チーム医療

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場6 (104)

座長:鈴木 美央

[口演M-41-1] 動画を用いた総合カンファレンスを実施して

北野 美江子, 川西 倫加, 大西 恵, 竹中 武馬, 末本 浩基 (中谷病院)

Keywords:総合カンファレンス、面会制限、動画、回復状況

【抄録】
【目的】面会制限以降、患者の回復状況について家族の理解が深まっていない状況を感じた。患者の入院生活の様子を撮影した動画を用いた総合カンファレンス(以下CF)を実施し、その有用性について検討した。【方法】1、用語の定義:CF;A 病院回復期リハビリテーション病棟において、入院中期に家族と医師・リハビリスタッフ(以下リハ)・看護師・MSW が参加し実施される多職種カンファレンス。2、研究対象・方法;期間は202X 年6 月~ 12 月、動画を用いたCFに参加した家族28 名に「各職員の説明と動画から、患者の状態・様子が分かったか、退院後の療養の場を考える為の参考になったか」、職員24 名に「動画で十分に伝えられたか」について4 段階尺度による評価と自由意見のアンケート調査を行い単純集計した。3、倫理的配慮;本研究において個人が特定されることはなく、研究目的以外にデータは使用しないことを説明し同意を得た。【結果】回収率は家族79%、職員100% だった。職員からの説明と動画から、患者の回復状況が「分かった」と8 割以上の家族が回答し、「どちらかと言えば分かった」を合わせると全ての家族が理解でき、リハや看護師の8 割の者も「伝えたい内容を伝えられた」と回答した。『主治医やリハ・看護師からのこれまでの説明もあり理解が深まった』『動画で納得した』『もう少し時間の長い動画が見たい』等の意見があった。また約8 割の家族が、『CFで全体が把握でき、今後の相談ができた』等、「今後の療養場所を検討する上で参考になった」と回答した一方で『具体的な意見が欲しかった』ことから「どちらかといえば参考にならなかった」と答えた家族もいた。初期5 症例の1 動画は15 秒で、家族・リハ・看護師の9 割が「短い」と回答した。1 動画を30 秒に変更後、時間についての意見はなかった。【考察】『これまでの多職種からの説明』と併せて動画で患者の様子が「分かった」・『動画で納得できた』という回答から、動画を用いたCF は患者の回復状況について情報共有の精度を高め、家族の理解を深めたと言える。リハへの意見が多かったことは、リハビリ進捗状況への関心と期待が大きいことを反映している。さらに動画でADL の状況を確認できたことで、退院後の具体的な生活課題をイメージできるようになり、「今後の療養場所を検討する上で参考になった」ことにつながっている。