第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演43群 ヘルシーワークプレイス①

Wed. Nov 9, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場6 (104)

座長:石井 久美子

[口演M-43-1] 看護師のワーク・ライフ・バランスに関する家族の認識

眞鍋 花乃1, 中城 厚美1, 坂上 亜理沙1, 古味 稔也1, 毛利 奈津美1, 長瀬 仁美1, 川上 理子2 (1.土佐市立土佐市民病院, 2.高知県立大学看護学科)

Keywords:ワーク・ライフ・バランス、家族の認識、同居家族

【抄録】
【目的】看護師のワーク・ライフ・バランス(以下WLB)に関する家族の認識を明らかにする。【方法】文献検討をもとに作成した自記式質問紙調査。個人の属性6 項目とWLB についての認識38 項目で構成し、36 項目は「とてもそう思う(+2)」~「全くそう思わない(-2)」の5 段階リッカート尺度で回答を求めた。36 項目は仕事に関する要素15 項目、家庭生活に関する要素12 項目、心身活動要素9 項目であった。対象者はA 県の5 病院(病床数100 ~ 250 床)に勤務する看護師の15 歳以上の同居家族とした。研究計画はB 病院の倫理委員会で承認を得た。対象者へは文書で研究目的、調査協力の自由とプライバシーの保護、データの適切な管理等を説明した。【結果】290 部の調査紙を配布、回収数142 部(49.0%)。対象者は男性89 名(62.7%)、女性53 名(37.3%)であり、配偶者87 名(62.1%)であった。対象者が認識する看護師の仕事と家庭の優先度は「家庭生活優先」19 名(13.5%)、「仕事と家庭生活ともに優先」91 名(64.5%)、「仕事優先」31 名(22.0%)であった。36 項目中「とてもそう思う」「どちらかというとそう思う」と回答した割合が多かった項目は、家庭生活に関する要素『ご家族が家庭内で何でも話せる人はいると思う』106 名(74.6%)、仕事に関する要素『ご家族は専門職としての向上心を持っていると思う』103 名(73.0%)、『現在の仕事は家族の能力を活かせる仕事だと思う』100 名(70.9%)であった。36 項目について「家庭生活優先」「仕事と家庭生活ともに優先」「仕事優先」の3 群で一元配置分散分析および多重比較を行った結果、11 項目(仕事に関する要素2 項目、家庭生活に関する要素8 項目、心身活動要素1項目)において「家庭生活優先」群の平均値は有意に高く「仕事優先」群の平均値は有意に低かった。【考察】全体の約2/3 の対象者は「仕事と家庭ともに優先」と回答しており、看護師がWLB をとっていると認識している家族も多いと考えられる。また、看護師の専門職としての仕事を尊重し、協力したいと思っている家族が多いことが伺えた。「家庭生活優先」群はWLB 項目の得点が高いことから「看護師(自分の家族)は家庭生活を優先している」と考えている家族の方が、よりよいWLB であると認識していることが示唆された。