第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演8群 患者の回復と生活の質の改善に向けた看護②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 口演会場3 (304)

座長:伊藤 恵美

[口演M-8-1] ステロイド療法を行っている自己免疫疾患患者の抑うつ・不安に対する看護師の関わり

川崎 久瑠美, 尾山 祥子, 井城 瑠衣, 大井 真由美, 中川 智裕, 滝沢 弥沙樹 (富山赤十字病院)

Keywords:ステロイド療法、看護師の関わり、抑うつ・不安

【抄録】
【目的】本研究では、ステロイド療法を行っている自己免疫疾患患者の抑うつ・不安に対する看護師の関わりに注目し、看護師がどのように自己免疫疾患患者を捉え、患者一人一人の抑うつ・不安に合わせた関わりを行っているかを明らかにすることを目的とする。【方法】A 病院B 病棟に勤務した経験のある、ステロイド療法を行っている自己免疫疾患患者と関わった看護師で経験年数4 年以上の看護職を対象として、調査内容を理解し本研究への参加に同意を得られた看護師5名へ個別インタビューを行い、逐語録を作成し、カテゴリー化した。【結果】「ステロイド療法による副作用を観察し安眠へのアプローチ」「多職種とチームに働きかけ不安の軽減に努める」「患者の思いを傾聴し少しずつ信頼関係を築き患者の思いを大切に関わる」「長期療養による患者が治療を受け入れ前向きに療養できるような支援」4 のカテゴリー、18 のサブカテゴリー、71 のコードが抽出された。【考察】ステロイド療法を行っている自己免疫疾患患者は多様な身体症状の出現や精神症状が生じやすく、ステロイド療法による副作用への不安を抱かれることがある。そのためステロイド療法を行っている患者は精神的支援が必要であり、多様な副作用の予測と観察を行い、ステロイド療法による副作用の早期発見に努めていた。その中でも不眠が患者の抑うつ・不安などに繋がることを懸念し安眠へのアプローチを実践していた。また、患者一人一人の身体・精神症状に合わせた患者の不安な思いへの介入方法について専門の多職種へと早期のコンサルテーションを図ることで、患者の安眠へと繋がり抑うつ・不安の軽減に繋げていた。患者の中には不安な思いを自分から表出されない患者もいるため、心に秘めた思いを表出しやすいように患者の思いを傾聴しながら少しずつ信頼関係を築き患者の思いを大切に関わることで抑うつ・不安の軽減に繋がったと考える。看護師は、ステロイド療法に対する患者の思いを理解し、退院後の生活について患者と一緒に課題を見出し、解決策を考えることで長期療養中の患者が安心して治療を受け入れ、前向きに療養できるような支援に繋がると考える。看護師は患者が安心して療養生活を過ごせるように努め、患者の生活の質の向上に貢献していくことが必要であると考える。