第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演9群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場3 (304)

座長:植田 みゆき

[口演M-9-1] 人工肛門造設患者のストーマケアの現状と看護師のストーマケア指導の実際

中川 翔太, 中村 由紀, 後藤 敦子, 羽柴 加奈 (山形県立中央病院)

Keywords:人工肛門、退院指導、ストーマケア、ストーマ、日常生活

【抄録】
【目的】A 病院B 病棟に所属する看護師が行っているストーマケア指導の実際と、患者がその指導をどの程度知ることができたのか、退院後の日常生活に役立っているのかを明らかにする。【方法】対象は、B 病棟の看護師22 名(師長、研究班、新卒看護師を除く)、B 病棟でストーマ造設し、2021年4 月1 日~ 10 月31 日までに退院した患者27 名(自立度判定2 以上の患者、自己にて回答ができない患者を除く)とした。看護師、患者ともに無記名アンケート調査。調査内容は、基本属性、病棟で使用しているストーマケアパンフレットをもとにした28 項目の質問で構成。看護師には「人工肛門造設患者へ指導する際の状況」を、患者には、配布されたパンフレットや看護師の説明について「役立つ内容であったか」「どの程度知ることができたか」を尋ねた。データ分析は、質問項目を<便破棄><ストーマケア><日常生活><物品管理><その他>に分類し単純集計した。また、院内倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】看護師は20 名(回収率90.9%)、患者は18 名(回収率66.7%)から回答が得られた。<ストーマケア>:ただれや出血などがあった時の対応について、約50%の患者が詳細な説明を望んでいた。<日常生活>:家でストーマ装具をつけたままの入浴方法については、看護師が「あまり説明していない」「全く説明していない」の合計が約70%だった。患者は約40%が詳細な説明を望んでいた。食事を取るときに気を付ける食材や食品については約40%の患者が詳細な説明を望んでいた。【考察】ただれや出血などがあった時の対応については、入院中に皮膚トラブルを起こさずに退院した患者は、退院後に初めて皮膚トラブルが起こると、対応に困ってしまうことが結果として現れたと考えられる。家でのストーマ装具をつけたままの入浴方法については、説明していない看護師が多く、半数近い患者が詳細な説明を望んでいたが、入院中の指導は、シャワー後のストーマ装具交換指導がメインとなってしまうことが要因と考えられる。食事の時に気を付ける食材や食品については、栄養士からの指導があるため看護師からの説明は少なく、また入院中は病院食が提供されるが、退院後は患者本人や家族が食事の準備をしなくてはならず、食事に対する疑問も具体的になることが考えられた。