第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

口演

口演9群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場3 (304)

座長:植田 みゆき

[口演M-9-5] 在宅生活を見据え、患者・家族にとってベストな退院支援の在り方と現状把握

山口 明美, 前元 成美, 輪野 隆代, 脇 佳代 (大阪府済生会泉尾病院)

Keywords:退院支援、退院後調査、入院と在宅

【抄録】
【目的】A 病棟に入院する患者の特徴として、治療過程で認知機能やADL が低下し以前の状態に回復する事が難しい傾向にある。その為、現状維持及び機能低下予防を目的に多職種と連携し退院支援を実施している。しかし退院後に活かされているのか評価が出来ておらず。退院後追跡調査を実施し、結果から新たな退院支援の問題点を見出す事を目的に研究に取組んだ。【方法】期間:令和2 年10 月1 日~令和3 年4 月15 日対象:B 区内在住・要介護認定者・A 病棟に2 週間以上入院し在宅へ退院した患者、項目:ADL・IADL・体重、在宅でも出来るリハビリ計画作成、入院時に生活環境を聴取し研究を患者又は家族に説明し同意を得る、退院後調査実施(対面調査予定もコロナ禍にて電話連絡に変更)。入院初期・中・退院後、項目に沿って評価し比較する【結果】条件該当者18 名の内、退院後調査迄実施出来たのは6 名。患者詳細「A氏・70 代男性・要介護1・肺炎」「B 氏・80 代男性・最終的に介護認定利用なし・COVID-19」「C 氏・90 代女性・要支援1・急性心筋梗塞」「D 氏・80 代女性・要介護4・右脛骨遠位端骨折」「E 氏・80 代女性・要介護5・腰椎圧迫骨折」「F 氏・90 代女性・要介護3・右橈骨遠位端骨折」。この中で、退院後調査の連絡段階で退院時のADL を維持、又は拡大していたのは4名。しかし、同一又は別疾患で調査連絡までの間に入退院した患者がいる事も分かった。コロナ禍にて退院後調査を電話で実施した為、入院中と同項目での評価・比較が出来ず、連絡時点での生活状況を口頭調査し結果とした。【考察】退院後、再度入退院した患者がいる事から自宅のみで生活・療養を続けるのは難しいと考える。問題点は、入院中は24 時間対応可能な環境だが、在宅で同様の対応は難しく急変や事故のリスクが高い。非独居でも要介護者・日中独居・老々介護などが問題。在宅生活を維持出来ている患者の一例は、元々は自立、治療やリハビリに意欲的など。一時的に入院が必要となった場合でも、急性期疾患の治療後、自宅へ退院し各サービスの利用と家族や友人・知人の協力も得ながら過ごしている事も分かった。入院時から先を見据えた情報収集と退院後の想定が必要となり、多職種間でのカンファレンス・情報共有を活用し、出来る限り患者の希望に添える環境を整え、退院後に不安・無理なく過ごせるよう考えていく事が重要。