第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演11群 健やかに生まれ育つことへの支援

Fri. Sep 29, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:石川 紀子

[口演O-11-4] 小児科病棟における付き添い入院について

―コロナ禍での付き添い者の思い―

吉岡 理紗, 山田 めぐみ, 水本 由香 (大和高田市立病院)

Keywords:小児科、付き添い入院、コロナ禍、面会

【目的】A 病院小児科病棟で入院している患児の付き添い者へ実態調査を行いコロナ禍でさまざまな付き添い制限がある中での付き添いについて、付き添い者の思いを把握する。【方法】所属施設の倫理委員会で承認を得て実施。協力の自由、不参加による不利益等は一切生じないことを文書及び口頭で説明した。独自で作成したアンケート用紙を用いて付き添い者にアンケート調査を行い単純集計で分析した。【結果】アンケート用紙を37 名に配布し有効回答数は27 名であった。付き添い入院における負担感について、「面会制限がある」が15 名(65%)、「付き添いの交代者の制限がある」が12 名(52%)、「きょうだいの世話がある」が11 名(48%)、「きょうだいと会えない」が12 名(52%)、「病室への自由な出入りができない」が12 名(52%)、「仕事を休まないといけない」が12 名(52%)、「協力者がいない」が2 名(9%)であった。その他の項目から、初めて入院した者が多く、患児の年齢は「0 歳」が6 名(22%)、「1 ~ 3 歳」が10 名(37%)、「4~ 6 歳」が3 名(11%)、「7 歳以上」が8 名(26%)であった。家族形態について「核家族」が25 名(93%)、「きょうだいがいる」と回答した者が20 名(74%)であった。【考察】付き添い者の思いについて「コロナ禍によるもの」と「コロナ禍によらないもの」に分けて考察した。「コロナ禍によるもの」として「面会制限」「付き添いの交代者の制限がある」「病室へ自由な出入りができない」が挙げられる。これらの項目について制限が負担に繋がっていることが分かった。付き添い者はさまざまな精神的な負担があり付き添い者への食事や睡眠を配慮した声掛けを行い、気軽に看護師に相談できる関係性の構築へ繋げていく必要がある。「コロナ禍によらないもの」として「きょうだいの世話がある」「きょうだいと会えない」「仕事を休まないといけない」「協力者がいない」が挙げられる。現状はビデオ通話などで自宅にいるきょうだいを確認している者もいれば、一時的に付き添いを交代し、きょうだいの世話を行ったのち患児の付き添いに戻る者もいる。付き添い者は家庭内や職場内でも役割を求められていることが多く、そうした状況で付き添いを行っていることを理解する必要がある。いずれにしても付き添い者に寄り添う姿勢や関わりが重要であることが分かった。