[口演O-22-1] A 病院における新人看護師へのPNSⓇによるOJT 教育の影響
― 新入職6 か月目、1 年目、2 年目の縦断的調査からの分析―
キーワード:PNSⓇ、新人看護師研修、OJT 教育
【目的】A 病院では新人看護師(以下新人とする)の離職課題があり、PNSⓇ看護体制導入後、現場でのOJT 教育を再考した。その後離職が低下したことから、PNSⓇによるOJT教育が新人に与えた影響、その関連を検討したいと考えた。従って、本研究の目的はPNSⓇによるOJT 教育が新人に与えた影響について分析、考察することである。【方法】1.研究期間:20XX 年4 月~ 20XX 年12 月 2.研究方法:対象はA 病院の新人16 名で、6 か月目、1 年目、2 年目の看護を振り返る集合研修時にPNSⓇへの認識調査を行なった。質問紙はPNSⓇ開発病院監修の図書を参考に研究者が12 項目構成で独自に作成、評価は「はい」か否かの2 選択とした。「はい」と回答した割合を項目ごとに比較、自由回答は類似した記載内容をまとめた。研究協力は自由意志であり、秘匿義務を守ることを明記、回答をもって同意を得た。倫理審査はA病院倫理委員会の承認を得た。【結果】1.各質問項目で「はい」と回答した割合:3 時点とも「安心感がある」は87%以上、「看護の向上になる」「相談しやすい」は67%以上が回答、「事故防止になる」は47 ~ 50%だった。「先輩の負担になる」は1 年目で20%、2 年目が43%だった。2.自由回答:3 時点の共通回答は、『相談しやすく安心感がある』『先輩の技術が学べる』に類似していた。また、6 か月、1 年目は『先輩が不在の時は困る』『甘えている』などの回答で、2 年目では『仕事ができるようになって先輩の負担を減らしたい』『相談することで看護の質が上がる』『先輩の声掛けや医師報告の判断が参考になる』などの回答だった。【考察】本研究では、3時点で「看護の向上になる」「安心感がある」「相談しやすい」が67%以上であり、自由回答でもこれらを裏付けた。また、2 年目では、「先輩の負担になる」が43%と増加し、1 年目の『先輩が不在の時は困る』という依存的な考えから、2 年目では『先輩の負担を減らしたい』と変化した。つまり、PNSⓇにおけるOJT 教育は、先輩がそばにいることで安心感をもたらし、相談しやすい環境の中で可視化された看護を学ぶことで、自己の看護の向上も実感できるようになるといえる。さらに、2 年目になるとチームの一員としての役割を自覚する、学びを具現化できるなど、明らかな成長に繋がるものと考える。