第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演22群 質の高い看護人材を育成する教育②

Sat. Sep 30, 2023 9:00 AM - 10:00 AM 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:佐久間 博子

[口演O-22-2] A 病院における勤務帯リーダーの成長段階を構成する要素

森 あかね, 加藤 篤子, 安藤 貴子, 坂下 聖加子 (麻生総合病院)

Keywords:勤務帯リーダー、役割習得、OJT・Off-JT

【目的】勤務帯リーダーとは、病棟全体を看視し多様な情報の関連付け、判断等、刻々と変化する患者や病棟内の変化に応じた対応を期待される。しかしA 病院では、勤務帯リーダー導入に際し、OJT・Off-JT の連動や標準化した教育が不十分だった為、勤務帯リーダーに対する陰性感情や育成に苦慮していた。その為昨年度より勤務帯リーダーコースを開催した。OJT では動機付け・日々の行動振り返り、Off-JT では勤務帯リーダーとしての成長段階の評価、トラブルシューテイングの共有、フィードバックを行った。結果、対象者全員、勤務帯リーダーとして自律、目標達成した。よって本研究は、A病院における勤務帯リーダーの成長段階を構成する要素を明らかにする事を目的とした。【方法】勤務帯リーダー研修コースの参加者で、全コース参加した4 名を対象とし、勤務帯リーダー評価表(役割理解度・看護実践能力・コミュニケーション能力評価)勤務帯リーダー年間計画を用い目標達成状況を類似性・相違性を検討しながら分析した。KPT シート(継続・問題・トライ項目)トラブルシューテイングは同様に類似性・相違性を検討しながらコード化した。研修後アンケートの内容(勤務帯リーダーとしての目標達成状況・自己成長・課題について)勤務帯リーダー評価表は共に単純集計した。又A病院の倫理委員会の承認を得て、個人が特定されないよう配慮し実施した。【結果】勤務帯リーダーの成長段階は<勤務帯リーダーの役割が解る><勤務帯リーダーに慣れる><勤務帯リーダーの自己課題を見出す><勤務帯リーダーとしての自己課題を改善する><勤務帯リーダーの自律ができる>の5つのカテゴリーに分類され、到達目標や期間と相関した。勤務帯リーダー評価表は他者評価(最終目標値114 点)最高135 点・最低115 点と、個人差はあるが全員目標達成した。【考察】KPT シートやトラブルシューテイング、評価表、フィードバック、他者との共有は意味ある経験として自覚化でき、勤務帯リーダーとしての自己成長や自信に繋がったと思われる。そのプロセスが成長段階のイメージや勤務帯リーダーとしての判断材料となり、研修コースの意図的な設定がOJT・Off-JT の連動に繋がったと考える。さらに勤務帯リーダーの成長段階を考慮して支援することが、個々の成長や勤務帯リーダーという役割を肯定的に捉える機会となった事が伺えた。