第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演23群 質の高い看護人材を育成する教育③

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:西田 頼子

[口演O-23-2] ALS の知識定着における勉強会とシミュレーションの重要性

西川 奈都音, 小川 佐智子, 真島 久美子 (天の川病院)

Keywords:ALS、勉強会、シミュレーション

【目的】急変対応にはその知識の定着と統一が重要である。しかし、Y 病棟で実際に急変が生じた際、円滑に連携が取れないことが課題であり、その要因として知識や技術定着に差があるのではないかと考えた。今回、二次救命処置(Advanced Life Support:以下ALS)についての勉強会とシミュレーションがその知識定着や円滑な連携にどんな役割を担っているかを分析する。【方法】病棟スタッフ20 名へ急変時・ALS についての5 段階・9 問のアンケートを実施し、平均数値が低いスタッフ9 名を選出後、勉強会のみ、勉強会と技術チェックを実施、シミュレーションまで実施したスタッフに各3 名ずつで振り分けた。同じアンケートを用いて、それぞれ集計をし、平均値の推移で比較した。また実施後の感想も募った。本研究は参加者の不利益が生じないように集計結果を使用する旨を説明、同意を得、X 病院内の倫理委員会の承認を得ている。【結果】集計結果より、事後アンケートは全ての質問で事前アンケートよりも平均数値が上回った。シミュレーションまで実施したスタッフは事前アンケートよりは数値が上昇したが、技術チェックまで実施したスタッフと比較すると9 問中7 問で数値が下回った。事後の感想では、勉強会のみ、技術チェックを実施したスタッフは知識が向上した、シミュレーションを実施したスタッフからは、連携の難しさや連携することで自身が定着できていなかった知識や技術が目立ったという内容であった。【考察】勉強会による新たな情報の習得と、技術チェックによるその情報の確認によって知識向上、定着が図れたと考える。しかし、シミュレーションを実施すると平均数値が低下したことから、各個人の知識技術が向上・定着するだけではALS は円滑に実施できないのではないかと考える。ALS を円滑に実施するためには、その知識の活用や他スタッフとの連携、自分の役割は何か等を瞬時に判断する能力が必要と考える。その判断能力は感想から、勉強会・技術チェック後にシミュレーションを実施することで培うことが期待できると考える。また繰り返し実施することで、さらなる知識定着とスタッフ間の連携や判断力の向上が図れると考える。今回の結果をふまえ、どのスタッフが居合わせてもスムーズに対応できるように、定期的な勉強会と技術チェック、シミュレーションを実施していきたい。