第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演3群 看護職間・他職種との協働

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM 口演会場1 第6会場 (1008)

座長:花井 理紗

[口演O-3-1] 発熱外来におけるスムーズな運用を支えるタスクシェア

奥野 美貴, 山下 瞳, 石田 真津美, 眞島 久美子, 小川 佐知子 (天の川病院)

Keywords:コロナ禍、発熱外来、問診票、タスクシェア

【目的】発熱外来患者電話対応時に問診票を用いることが、発熱外来看護師(以下:看護師)と医事課職員のタスクシェアにつながるかを検証する。【方法】当初患者からの電話問い合わせを看護師が行っていた。コロナ第7 波で患者数が増加し対応困難となり医事課職員に電話対応を依頼したが、看護師への情報に一貫性がなかった。患者の現状を得るために問診票を作成し医事課職員が予診を行い看護師が折り返し電話で情報収集し受診方法などを伝えた。医事課職員(n=7)と看護師(n=15)を対象に問診票の導入前後でアンケート調査を実施し「5:大変そう思う」から「1:まったくそう思わない」の5 件法で回答を得てT 検定を行った。分析ソフトはR(version 4.2.0)を用いた。本研究はX 病院内の倫理審査委員会の承認を得ている。【結果】医事課職員アンケート結果より①「患者の電話対応は医事課業務に支障を来す」は逆転項目であり導入前4.7:導入後3.5 ②「患者への情報収集に困っていない」は導入前3.1:導入後3.3 であった。また看護師アンケート結果①より「患者への案内不足による診療の滞りがある」は逆転項目であり導入前2.6:導入後1.9、導入前後の結果についてT 検定を行い有意差がみられた。(< 0.05)②「医事課からの情報提供は適切」は導入前3.2:導入後4.0。【考察】医事課職員アンケートの①②より症状確認が選択できる問診票は負担感もなく自身の業務を一旦中断してもすぐに元の業務に戻れる状況を作れたことで、調査期間中3回レセプト期間に重なったが業務に支障を来したという意見が減少したのではないかと考える。また看護師アンケート①では問診票導入前は真夏で発熱し水分摂取しながら受診している患者も多く、すぐ検査できないケースもみられた。唾液採取によるPCR 検査は院内規定により実施前30 分は絶飲食が必要であることやドライブスルー方式による発熱外来受診方法をあらかじめ伝えたことで、受診待機時間が短縮したのではないかと考える。アンケート②より看護師が行うべき情報収集を問診票導入により医事課職員に移行・共有することで看護師は予診を基に症状発現時期、濃厚接触者の有無など情報収集と問診を行い、医師に報告することができた。その結果、患者にとって有益かつ円滑な発熱外来のスムーズな運用を支えるタスクシェアにつながったと考える。