第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

口演

口演3群 看護職間・他職種との協働

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM 口演会場1 第6会場 (1008)

座長:花井 理紗

[口演O-3-3] HCU 本稼働から現在に至るまでの軌跡と今後の課題

―one team を目指して―

野村 知里, 村上 千賀, 鈴木 孝嘉, 門奈 有里子, 中村 真喜子 (浜松医科大学医学部附属病院)

Keywords:HCU、新設、看護師、不安

【目的】新設されたA 病院高度治療室(High Care Unit 以後、HCU)では、質の高い看護提供のために高度治療に対する不安への対策や、どんなHCU にしたいかを全員で共有し、one team を目指して取り組んでいくことが必要であると考えた。【方法】HCU 看護師22 名を対象に4 月に勉強会や業務シミュレーションなどを行い、5 月に決起会を実施した。決起会では思いや不安、どんなHCU にしたいかを話し合いKJ 法でまとめた。さらに9 月に振り返りを行い、12 月にMicrosoft Office forms を使用しHCU 看護師19 名を対象にアンケートを実施した。アンケートは個人が特定できないよう無記名での回答とし、文面で趣旨説明を行い同意の可否を得た。内容は不安の変化、決起会による心境の変化などについて、選択肢と自由記載で回答し、単純集計した。A 病院看護部看護研究倫理審査委員会の承認を得た。【結果】4 月に勉強会や業務シミュレーションなどを実施した。5 月の決起会では21 名が参加し、どんなHCU にしたいかを話し合い「安心安全安楽な看護の提供」「継続看護・退院支援」「多職種連携」などがあがった。その他に部署配属時の不安の共有も行った。質の高い看護提供のためにこれらの意見を共有し、one team を目指した。また、9 月に振り返りを行い「カンファレンスの充実」や「多職種連携の強化」が必要という意見が出た。12 月のアンケート調査では17 名から回答が得られた。部署配属時は全員が「部署異動に対する不安がある」と回答したが、12 月時点では88%が「不安が軽減した」と回答した。理由として「スタッフとの話し合いや勉強会による知識の習得」という意見があがった。「もっとこうしたい、こうなりたい」という質問には、多職種連携の強化やカンファレンスの充実、身体拘束軽減という意見が出た。【考察】配属時にone team を目指すことを目的に決起会を行い、思いや不安を共有することで自分一人ではないという安心感に繋がり、目指す姿が明確化した。また、安全に看護を提供するために勉強会や業務シミュレーションなどを行い、不安が軽減したと考える。アンケートで多職種連携の強化やカンファレンスの充実、身体拘束軽減といった意見があがり、質の高い看護提供のために多職種でのone team を目指した取り組みが課題であると考える。