[口演O-5-4] 早期異動を経験した卒後4 年目の看護師に対する意識調査
Keywords:早期異動、卒4、看護師、意識調査
【目的】入職3 年未満での異動（以降、早期異動とする）を経験した入職4 年目の看護師（以降、卒4 看護師とする）の当時の思いや状況を調査し今後の早期異動者の支援に役立てる。【方法】A 病院卒4 看護師5 名を対象に個別にインタビューを行い異動で大変だったこと、異動の際スタッフからの支援はあったか、どのような支援が必要だったかなどの質問に回答してもらい、逐語録化し質的記述的方法で分析した。A 病院倫理審査委員会で承認を得、本研究の趣旨と対象者の匿名性及びプライバシーの保護、参加及び撤回の自由等を文書と口頭で説明し同意を得た。【結果】26 のコード、9 のサブカテゴリーをさらに分析し、《病棟異動による苦悩》《異動先の病棟でのきめ細かな支援》《異動前と異動後の環境の違い》の3 つのカテゴリーに分類。《病棟異動による苦悩》には「異動のタイミングや時期」「今までの病棟では経験のない看護技術」「配属された科の特有の看護技術・知識の未熟さ」「職場でのコミュニケーションのしづらさ」における苦悩があった。《異動先の病棟でのきめ細かな支援》では、「先輩からの具体的な助言やサポート」「勉強会による知識の再取得」という実際の支援、その時に「受けたかった支援」があった。《異動前と異動後の環境の違い》では≪病棟が変わったことによる業務内容の違い≫≪病棟の異動による環境の変化≫に対する戸惑い、新たな知識・技術の取得があった。【考察】卒4看護師は入職4 年目で異動すると考えていたが、早期異動のため医療知識や看護技術の未熟な状態であり異動に戸惑い不安や負担を感じていた。このことから予期せぬタイミングや看護経験の未熟な時期の異動は早期異動者の苦悩や葛藤を深める可能性があると考える。故に、異動先のスタッフは早期異動者が経験や知識不足で不安を感じている背景を理解し積極的に支援を行う必要があると考える。また異動先のスタッフから声掛けし、異動者がその病棟の一員であるという自信を持って業務に取り組めるようなサポートが必要と考える。今研究では早期異動に対しての不安や苦悩など否定的な意見も聞かれたが、異動先で新たな知識や技術を身に付けられたという肯定的な意見もあり、異動によって新たな経験を積むことで看護師として自信を持つことができたり、看護観が深まることで看護師としてのキャリアアップに繋がる機会でもあると考える。