第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演6群 看護の質向上のための取組み

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM 口演会場2 第7会場 (1004+1005)

座長:大江 理英

[口演O-6-4] 救急看護師の意識決定支援の実態

富田 このみ, 清水 理恵 (富山市立富山市民病院)

Keywords:救急医療、インフォームドコンセント、意思決定支援、患者の最善、倫理

【目的】A 病院は「病院群輪番体制」を実施する医療圏で二次救急医療機関として診療を担っている。救急看護師が行なう意思決定支援の実態を明らかにし、今後救急外来での意思決定支援の充実を図る。【方法】質的量的研究デザイン: 独自に作成した調査表を用いデータ収集を行なった。自由記載は質的データ化、カテゴリー分けを行い、看護師の属性と14項目の質問は選択式回答方法をとった。対象者には研究概要の意義、プライバシーの保護、調査への参加や回答は自由意志であり参加拒否により不利益を被ることはないこと、研究目的以外にデータを用いないこと、分析公表後にはデータを破棄することを文書にて明記し伝えた。A 病院倫理審査委員会で承認を得た。【結果】IC 同席しているでは、しているは0% できるだけしているは71%、あまりしていないは23%、していないは6%であった。輪番日も同席しているでは、しているは0%、できるだけしているは10%、あまりしていないは74%、していないは16% であった。患者の意思決定に関する知識不足については、そう思うは47%、ややそう思うは35%、あまりそう思わないは18%、思わないは0% であった。意思決定場面のジレンマは、そう思うは35%、ややそう思うは41%、あまり思わないは24%、思わないは0% であった。自由記載の分析の結果8 の概念、74 のサブカテゴリー、27のカテゴリーが生成され、最終的に8 つの側面に集約された。看護師の基本属性と14 項目の質問の比較では、『倫理を意識して関わっている』と『治療の選択肢を知らせている』、『治療方針選択肢の支援』と『輪番日の満足度』で有意差、相関があった。【考察】意思決定プロセス支援と看護師の役割に関する文献的研究(大桃:2015)とA 病院救急看護師は、日頃から患者家族と医療チームの賭け橋となるよう意識を持ち患者家族と向き合っていることが一致した。ジレンマを抱えながらも患者にとってより良い医療は何か、どんな支援が必要なのかを看護師の目線から考え行動していることが明らかになった。患者・家族の生活背景や社会的に意思決定支援が困難な場合、多職種連携を必要としていることが示唆された。