第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター1 群 ワークエンゲージメントを高める

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:高木 仁美

[ポスターO-1-2] 中核病院の病棟看護師のワーク・エンゲイジメントに影響を及ぼす属性因子の検討

武田 祐美子, 松澤 公子, 山本 美代子, 成田 香織, 長谷川 瑞恵, 山下 慈 (青森県立中央病院)

Keywords:ワーク・エンゲイジメント、病棟看護師、継続意思

【目的】中核病院の病棟看護師のワーク・エンゲイジメント(WE)に影響を及ぼす属性因子を明らかにする。【方法】令和4 年6 月にA 病院に勤務する病棟看護師を対象に、年齢や性別、経験年数等の基本属性とユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(2003、Schaufeli & Bakker 以下、UWES)を無記名自記式に調査した。UWES は、「活力」「熱意」「没頭」の3 下位尺度、全17 項目から構成され、0 ~ 6の6 件法、点数が高い程、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態を示す。分析は記述統計及びUWES を従属変数とし、基本属性及び継続意思を独立変数と正規性を確認し、t 検定またはMan-Whitney のU 検定を行った。本研究は、A 病院の倫理審査委員会の承認を得た。【結果】332 名に配布し190 名から回収(回収率57%)、170 名が有効回答(回答率89%)である。対象者の年代は20 歳代が65 名(38%)、30 歳代が56 名(32.7%)と全体の70.7%、女性は153 名(89.5%)を占めた。UWES の下位尺度別の平均値は、「活力」13.5(±5.6)、「熱意」13.1(± 5.3)、「没頭」17.5(± 5.6)であった。次に性別や既婚・子どもの有無、年代(20 歳代、30 歳代以降の2 群)を因子とし、UWES の下位尺度別にt 検定を行った結果、有意差は認めなかった。看護師の就労継続意思は「あり」154 名(90%)、「なし」16 名(10%)、職場の雰囲気は「良い」または「普通」166 名(97.1%)、職場の人間関係は「良い」または「普通」163 名(95.3%)であった。就労継続意思の有無とUWES の下位尺度にMan-Whitney のU 検定を行った結果「活力」(U = 459.0,p < 0.01)、「熱意」(U = 396.5,p < 0.001)、「没頭」(U = 759.0,p < 0.001)で有意差を認め、いずれも就労継続意思「あり」が高値であった。【考察】先行研究では、看護師のWE が低い因子に20 歳代、未婚者、子ども無しの属性因子が影響を与えると報告されているが、本研究では有意差は認めなかった。職場の人間関係や雰囲気が「良い」または「普通」が9 割と高く、円滑な人間関係や職場の雰囲気といった職場環境が整う事で看護師の就労継続の意思に繋がったと推測され、必ずしも属性因子はWE に影響はしていないと考えた。