第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

Presentation information

ポスター

ポスター3 群 ポストコロナ社会の看護への示唆

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:大迫 しのぶ

[ポスターO-3-2] 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたオンライン面会が患者に及ぼす影響

木村 有紀 (徳洲会羽生総合病院)

Keywords:新型コロナウイルス、感染予防、オンライン面会

【目的】面会制限により実施しているオンライン面会が患者に及ぼす影響を明らかにすることで、今後の面会のあり方に繋げる。【方法】病棟看護師対象に質問紙調査。プライバシーの保護、参加者は自由意思である事、質問用紙の提出をもって同意することを明記した自記式・無記名の用紙を配布し、鍵のかかる箱に回収した。病院倫理委員会の承認を受けた。回収された回答はExcel を使用し単純集計を行った。自由記載の記述内容は類似化しカテゴリ化した。【結果】回収率53%有効回答数94%オンライン面会の相手に対する理解「出来ている」38%「出来ていない」2%「どちらともいえない」60%。オンライン面会の患者変化「はい」74%、「いいえ」24%。患者の行動変化「積極的にリハビリに取り組む」15%「積極的に離床する」20%「整容に気を遣う」14%「落ち着きがない」19%「笑顔が増える」11 名「帰宅願望の増加」4 名。患者の発言変化「前向きな発言」52%「悲観的な発言」12%「どちらともいえない」35%「帰宅願望」1%患者の表情変化「うれし表情」59%「悲しい表情」11%「無表情」14%「疲れた表情」8%「暗い表情」3%「うれし泣き」3%「怒りの表情」2%。オンライン面会が与える影響「安心感」68 名「治療意欲の増大」46 名「刺激になる」32 名「家族の安心感」14 名「認知機能低下予防」12 名「不穏の助長」12 名「気分転換」12名「前向きな気持ち」11 名、「寂しさ」8 名であった。【考察】オンライン面会は、意欲的な行動に繋がった。富田ら1) は「面会によって回復への意欲を高めていた」とあり、オンライン面会も対面面会同様に患者の回復の意欲の向上につながるのではないかと考えられる。また、富田ら2)は「体調の悪い時や義理の面会は重荷になっていた。」とあり、患者の負担になることもあった。富田ら3)は「面会ではプラスの面とマイナスの面がある」とあり、今回の研究結果から、オンライン面会でも同様にプラス面の影響とマイナス面の影響があるという結果が得られた。新型コロナ感染症のための面会制限で開始したオンライン面会は、感染終息により対面面会の再開が考えられる。しかし、家族の都合で面会時間内に対面できない、遠方のため面会が出来ない等の理由に対し、今後対面にとらわれることなくオンライン面会も取り入れ、面会の幅を広げることを検討していきたい。