第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター3 群 ポストコロナ社会の看護への示唆

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:大迫 しのぶ

[ポスターO-3-6] With コロナにおける経年的な運動の取り組み変化と健診データの関連について

小倉 利枝1, 米納 由希1, 山田 京子1, 坪田 恵子2 (1.不二越病院, 2.富山大学学術研究部医学系)

Keywords:職域健診、Covid-19、運動習慣

【目的】Covid-19 の流行は生活様式を一変させ、流行期には外出自粛など環境変化があった。定期的な運動は健康的に過ごすために不可欠である。職域にてWith コロナにおいて、運動・身体活動の実施割合がどう変化したのか、運動・身体活動の継続と非継続における健診データの結果を対比し検討した。【方法】1. 対象:A 病院にて2019 年から2022 年の4年連続健診を受けているB 社の社員2,249 名。2. 分析方法:1) 血圧(SBP、DBP)、BMI、AST、ALT、γ -GTP、TCH、HDL-C、LDL-C、HbA1c の2019 年から2022 年の平均値を比較し、項目毎に平均値± SD で表した。年別健診データ比較は、対応のあるt 検定を用いた。年度毎の多群間比較はBonferoni の有意水準補正を行った。2) 運動・身体活動に関する問診の有無で「はい=実施」とした者の割合を年代・男女別に年次推移で示した。3)2019 年から2022 年の4 年間連続「運動」の有無で「運動継続群」「運動非継続群」とし、同様に「身体活動」の有無で「身体活動継続群」「身体活動非継続群」とし、検査データについて継続と非継続に分け対応のないt 検定を用い平均値± SD で表した。4)A 病院倫理審査委員会の承認を得て、連結可能匿名化し、院内で作業を行った。【結果】1. 年別健診データの比較では、男女共に平均値が流行前の2019 年から有意に上昇した項目は2020 年・2021 年のSBP、2020 年から2022 年のHbA1c であった。2. 運動・身体活動の割合は、Covid-19 が流行した2020 年で低くなっておらず、運動・身体活動実施割合は年々上昇していた。3.「運動継続群」では「運動非継続群」に比べて2019 年から2022 年のDBP・TCH・LDL-C と2021 年ALT、2019 年・2021 年γ -GTP で有意に低値であり、2019 年のHDL-C では高値であった。4)「身体活動継続群」では「身体活動非継続群」に比べて2019 年から2022 年のDBP・γ -GTP・TCH・LDL-C・HbA1c で有意に低値であった。【考察】With コロナにおいても、日常的に運動・身体活動に取り組み継続した人は、良好な健康状態を維持できたことを示唆している。情報提供や継続支援が重要といえる。特に「1 日1 時間以上歩く」という身体活動の推奨が有効であると考える。