第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター4 群 看護職の心の働きとその対処①

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:普照 早苗

[ポスターO-4-4] 心臓カテーテル室看護師の患者不安に対する認識

相樂 成美, 芳賀 令佳, 皆川 香那 (太田綜合病院附属太田西ノ内病院)

Keywords:心臓カテーテル検査、心臓カテーテル室担当看護師、不安の認識

【目的】心臓カテーテル室の担当看護師が、多重業務・特殊環境下で患者の不安をどのように認識しているのか、また不安の認識を妨げる要因を検討し、今後の心臓カテーテル看護教育や看護体制の示唆を得る。【方法】質的記述的研究で、A 病院において心臓カテーテル室を担当している経験年数3年以上の看護師10 名に半構成的面接を実施した。研究者らで内容を十分に読み合わせ、カテ担当看護師の患者不安の認識と心臓カテーテル検査時の看護実践についてコード化、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。対象者には本研究の趣旨並びに協力依頼に関して、自由意思による同意と撤回等の倫理的配慮について文書と口頭で説明し承諾を得た。本研究はA 病院生命倫理委員会の承諾を得て実施した。【結果】インタビューを行い、146 個のコード、22 個のサブカテゴリー、《治療を受ける患者の不安への認識》《患者の症状や不安を予測した看護実践》《心カテが滞りなく行われることが重要であるという認識》《患者の不安を考える余裕がない心理的状況》《心カテ体制による患者対応への影響》の5 つのカテゴリーが抽出された。【考察】カテ担当看護師は《治療を受ける患者の不安への認識》を持ちながら、《患者の症状や不安を予測した看護実践》をしていた。その一方で、《心カテが滞りなく行われることが重要であるという認識》を持ち《患者の不安を考える余裕がない心理的状況》にある看護師の現状も明らかとなった。カテ担当看護師は、カテーテル治療が滞ることによる患者への負担や影響を考えながらも、医師からの指示受けや手技を追うことに精一杯で患者の不安に目を向ける余裕がないという実情が示された。また、A 病院のカテ担当看護師は病棟と兼務し3 病棟間の当番制であること、医師の指示受けや薬剤投与、モニター監視、記録記載、患者対応等の多重課題を看護師1 人で対応しなければならい。そのような《心カテ体制による患者対応への影響》が看護師の患者に対する不安の認識を妨げる要因として考えられた。そして、看護師1 人当たりの負荷が大きいことも明らかになったため、看護師自身の精神的なサポートも検討していく必要がある。本研究にて今後の心カテ体制の構築及び教育システムを検討していく必要性が示唆された。