第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター4 群 看護職の心の働きとその対処①

Fri. Sep 29, 2023 10:15 AM - 11:15 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:普照 早苗

[ポスターO-4-5] A 病院外来継続看護の実態と課題

― 退院前訪問から退院後初診を通しての外来看護師の意識と関わりに焦点を当てて―

川上 加奈子, 尾崎 智佳子 (熊本リハビリテーション病院)

Keywords:外来継続看護、退院前訪問、退院後初診

【目的】外来看護師が入院患者の退院前訪問(以下、訪問)時から退院後初診(以下、初診)時の情報収集方法や関わり方、継続看護に対する意識を調査し、統一した患者介入ができるように課題を明らかにする。【方法】外来看護師13 名に質問紙調査を実施し、単純集計。過去3 年間の退院者数と訪問者数、初診記録数を集計。尚、本研究は個人情報を匿名化し、個人を特定できないようにし研究者が所属する病院の倫理委員会に承認を得た。【結果】質問紙有効回答率98.99%。退院者数平均1690 名/年、最多退院者数23 名/日。訪問について:訪問者数平均228 名/年。携わる看護師10 名。手順書内容が十分でないと半数以上が回答し、具体的でなく現状と合わないという理由であった。半数以上が看護サマリーや多職種記録からも情報収集を行い、患者一人に対して5 分程度時間を要していた。説明内容は半数以上が外来受診方法の手順が主であった。患者一人の記録にかかる時間は過半数が3分未満。初診について:初診者数平均757 名/年、うち看護記録の記載があるものは平均170 件/年。患者の把握ができているかは、ややできている46%。情報収集できているかは、ややできている・どちらともいえない38%ずつ。理由として、業務が多忙で余裕がないや、複数診療科担当している場合は見落とすなどであった。事前に患者情報があった方がよいかは、そう思う46%。直接患者と接しているかは、どちらともいえない54%。記録はできているか、ややできている62%。訪問した情報が初診時に役立っていると思うかは、どちらともいえない54%。理由は訪問と初診時で同じ看護師が対応できないためや、申し送りが不十分だった。患者対応は自信をもってできているかは、できている・ややできている0%。継続看護を意識し訪問から初診時に患者と関わっているかは、31%ずつとばらつきがあった。【考察】時間をかけ情報収集をし、訪問を実施しているが、一業務に留まり退院後の患者に視点をおいた関わりができていなかった。継続看護の必要性を感じているが、業務が多忙で情報収集や患者と関わる時間確保の困難、初診患者の把握漏れが生じていた。今後の課題は、手順書の改訂、退院前からの意識的な関わり・継続看護が必要な患者の抽出が必要である。