第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター6 群 看護の質向上のための取組み①

Fri. Sep 29, 2023 3:00 PM - 4:00 PM ポスター会場 (イベントホール)

座長:長谷川 美智子

[ポスターO-6-1] 複数の看護提供方式の特徴を最大限に活かすために

―現体制の問題を見いだし業務改善を行う―

田中 佳代, 梅本 由紀子, 後田 聖子 (大和高田市立病院)

Keywords:看護提供方式、業務改善、看護の質

【目的】A 病院B 病棟ではプライマリーナーシング・固定チームナーシング・パートナーシップ・ナーシング・システム(以下PNSとする)を導入し看護ケアを提供している。専任看護とチーム看護という異なる看護方式を取り入れているが故にそれぞれの特徴を十分発揮できていないのではと考えた。看護ケア及び看護の質向上に繋げるために現体制の問題点を明らかにし、それぞれの特徴を十分に発揮できるよう業務改善を行う。【方法】期間:令和4 年4 月16 日~令和5 年1 月21 日 対象:A 病院B 病棟に勤務する看護師 調査方法と内容:1. 業務カンファレンスを行い現体制の問題点を抽出2. 年間PNSの組み直し3.3 チーム体制へ再編4. 無記名で個人が特定されないよう配慮しアンケート調査を実施5. 単純集計で分析6. インシデント、アクシデント件数と超過勤務時間の比較【結果】業務カンファレンスで「看護の動線がスムーズでない」「チーム間での情報共有不足」「患者把握が不十分」という問題点が挙がった。業務改善後のアンケートの結果、看護の動線に関する質問に対しての肯定意見は75%、情報共有に対する質問は84.2%、看護ケアに関する質問は84.5%、業務に関する質問は65.7%であった。インシデント数は34 件から26 件へ減少、超過勤務時間は6.7 時間/ 人から7.36 時間/ 人と増加した。【考察】特徴の異なる看護提供方式を効果的に活かすために業務改善を行った。部屋単位で患者を担当することで患者について意識しやすくなり、チーム内での自立した役割意識が芽生え団結力の向上に繋がった。また、積極的にカンファレンスを行うことで、複眼的な視野で仕事に取り組み、組織内で価値観を共有することで情報の共有ができた。患者の重症度によりスタッフの負担は大きくなったが、動線が整理されているため患者により目が行き届くようになり緊張感と集中力が上がった。それが医療安全の視点を養うきっかけとなりインシデントは減少した。ベッドサイドケアを充実させ、その機会を多く得るための視点を大切にすることが看護の質向上に繋がる。今回の結果では超過勤務時間の減少には繋がらなかったが、看護ケア及び看護の質向上とともに、職務満足度も向上できるように業務改善を行っていきたい。