第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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シンポジウム

シンポジウム3 AI・ICT 等を利活用した看護業務の効率化による働き方改革と看護の質向上

Sat. Sep 30, 2023 9:00 AM - 10:30 AM 第1会場 (メインホール)

座長:竹下 康平

講師:細川 克美・黒田 直美・秋葉 洋司

[SY3-2] 搬送ロボットを活用した看護業務の効率化による看護師の働き方改革

黒田 直美 (トヨタ記念病院看護室副総看護長)

【抄録】
 自施設は、三次医療を担う527 床の地域医療支援病院である。2019 年に搬送ロボットを看護の現場に導入した。今回、搬送ロボット導入の契機から新病院移転後までの経過、看護の現場の変化について報告する。
 まず、生産現場でカイゼンを推進してきたロボット開発者が、看護師の業務内容を動作単位で24 時間密着して調査した。調査員の「それは看護ですか」の問いが、付加価値ある看護の本質を再発見する契機になった。この調査により、双方の理解が促進され、患者に寄り添う時間を捻出する目的を達成するための連携が強固になった。
 その後、夜間の薬剤、続いて、医療機器、検体容器の搬送を搬送ロボットにタスクシフトした。そして、オーダーをリアルタイムに反映し、薬剤科で薬剤師により混合調剤して病棟に搬送ロボットで払い出す「セントラルミキシング」の試行を実施した。24 時間365 日充電しながら働き続けることが可能な搬送ロボットの特性をいかし、薬剤師とのタスクシェアリングができた。
 2023 年5 月に新病院の移転後、集中治療領域を除く全病棟にセントラルミキシングを導入し、看護師が患者に向き合う時間の捻出が可能になった。