都道府県看護協会公募企画③：大阪府 大阪府におけるACPの普及推進
～ACP支援専門人材育成事業の報告～

[LK3-2] 自施設におけるアドバンス・ケア・プランニング（ACP）の現状と課題について

木下 朋子 (住友病院看護師長)

　今回、大阪府の ACP 普及推進事業である「ACP 支援専門人材育成研修」に参加し、ACP を推進する上で看護師としてできることについて考える機会となった。自施設での現状として、2018年に ACP「人生会議」の冊子とマニュアルを作成しているが、使用件数が少なく、定着していない。また、作成以降は使用状況について評価できておらず、ACP 支援において、「いつ」「だれが」「何をすればよいか」が明確ではなかった。
　外来、病棟それぞれにおいて、ACP 普及の現状と倫理カンファレンスの事例を振り返ることで医療チーム間の情報共有と患者や家族の意思決定支援の重要性が再検討できた。
　急性期病院では、在院日数が短く、入院中のみでなく外来での ACP 支援が重要となる。外来で支援できる体制作りや、地域へ継続できるように情報共有していく必要がある。また、看護職だけでなく多職種で取り組めるような働きかけや、多職種で共有できる記録システムを整えることも必要である。病院スタッフの ACP に対する理解を深め、患者や家族へ「人生会議」を啓蒙することが課題であると考えている。