[ポスターS-1-1] 夫立ち会い分娩ができなかった産婦が助産師に求める支援
Keywords:COVID-19、夫立ち合い分娩、分娩体験
【目的】立ち会い分娩ができなかった産婦が助産師に対してどのような支援を求めているのかを明らかにする。【方法】A病院B病棟で出産し研究の同意を得られた入院中の女性3名に対して、インタビューガイドに基づき30分程度の半構成的面接を行った。インタビューガイドの内容は、分娩時・分娩後の思い、立ち会い分娩を希望していたか、立ち会い分娩ができないことについてどう思ったか、助産師の関わりについてである。逐語録を作成し分娩体験への思いを述べている文脈を抽出しカテゴリー化した。A病院看護倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】産婦の語りから、45のコード、16のサブカテゴリーが抽出された。《前向きで具体的な助産師の声がけ》《不安軽減に繋がる助産師の支援》《夫がいない中で頼りになる助産師の存在》《助産師への不満》などのサブカテゴリーを「助産師の関わりについての思い」、《夫との児の誕生の共感・共有をしたい》《父親役割の自覚への期待》《立ち合い分娩ができないことへの受け入れと安堵感》《立ち会い分娩ができないことへの不安と心細さ》《夫にしてほしかったこと》を「夫立ち会いに対する気持ち」、《痛み》《恐怖》《先が見えない不安や緊張》などを「お産に対する感情」の3のカテゴリーに集約した。産婦は夫がいない不安よりも先の見えない不安や恐怖を強く抱いていた。立ち合い分娩ができなかったことに対して否定的な思いを抱くものはいなかった。【考察】夫にして欲しかったことの多くは助産師が夫に代わってできる支援が多く、夫の補完的役割を助産師が担うことができていたため立ち合い分娩ができなかったことへ否定的な思いを抱くものがいなかったと考えられる。産婦は先の見えない不安や緊張を強く抱いているため今後の分娩経過をイメージできるような関わりや前向きな声がけを求めていた。また、夫がいない中で助産師だけが頼りになる存在であるため産婦にかかわる時間を増やし孤独感を抱かせないような支援を求めていた。一方で産婦はわが子の誕生の瞬間を共感・共有することで夫の父親役割の獲得や行動変容を期待しており、助産師には変わることができない役割を求めるものもいた。