[ポスターS-10-2] 手術室における既卒看護師の教育プログラム考案
-先行文献からみえてきたこと-
Keywords:既卒看護師、教育プログラム、手術看護
【目的】多くの病院では新人看護師への教育システムが構築され、基礎教育を基盤として臨床実践能力の向上に繋げている。一方、既卒看護師は即戦力として求められ、職場に慣れることを優先してサポートされている。看護領域の中でも手術室は専門性やスキルが高く求められるが、既卒看護師を対象とした教育に関する文献検討を行った結果、手術室での文献は 0 件であった。A 病院は令和 4 年に病院統合し総合病院となり、手術室においても診療科が増えるため手術看護の幅が広がっていく。そこで、既卒看護師を対象とした手術室での教育プログラムを考案するため先行研究から効果的な教育方法を明らかにすることを目的とし、今後の教育プログラムの考案の一助とする。【方法】医学中央雑誌 web 版(ver.5)で「既卒」と「中途採用」をキーワードとし、絞り込み条件を「原著論文」「看護文献」「会議録を除く」「本文あり」と設定して各々検索した。その後、教育方法に関連した文献を精読しマトリックス方式にて文献レビューを行った。本研究では、中途採用の看護師とは看護系の学校を卒業し、看護師国家資格を取得後看護師としての職務経験がある人とする。【結果】対象文献は 34 件であった。カテゴリー分けした結果、サポートをする存在の必要性についてが 14 件、心理的支援についてが 9 件、業務環境についてが 9 件、対象理解についてが 6 件、教育方法について 6 件であった。1 文献中に重複する内容記載も 1 件とした。【考察】多くの診療科に対応する手術室は看護経験の有無を問わず戸惑いや困難感を抱きやすい。そのため既卒看護師をサポートする存在や心理的支援を踏まえた教育プログラムが必要と考える。Benner, P は実践豊富な看護師においても未経験の科に配属され、的確な実践ができていなければ初心者レベルに分類されると述べている。既卒看護師は看護職として働いていた経験を持ち高度な看護実践能力を有しているため、個々の経験やスキルを理解をして教育的関わりを行うことが必要であると考える。さらに既卒看護師が新しい組織に定着することは、組織の活性化につながり新たな価値観の創出、看護の質の向上に発展することが期待できる。個人の背景や実践力に合わせて修正しながら確実な手術看護実践ができるように教育プログラムを考案し、支援する必要があると考える。