[ポスターS-8-1] 特定看護師の特定行為活動の現状から、活動体制整備にむけた取り組み
Keywords:特定看護師、特定行為活動、活動体制整備
【目的】A病院では「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」「創傷管理関連」の2区分4行為の研修受講にて2021年3月までに6名の特定看護師が誕生した。特定看護師は院内の各部署にて看護実践を実施しているが、特定行為活動の現状について評価をしておらず、活動の現状について明らかになっていない。今回、特定看護師の活動の現状を明らかにし活動体制整備の一助とする。【方法】202X年4月~6月にA病院特定看護師6名に対して、田村の「研修修了者が自部署又は自施設で特定行為を実践する環境作り調査結果」に沿って作成した質問表を用いて、特定行為活動の現状を半構成的面接にて聞き取りを実施した。得られたデータから逐語録を作成、内容が類似するものをまとめカテゴリー化した。対象者には本研究への協力は自由であり、協力を拒否した場合でも不利益が生じないことを説明した。【結果】研究対象者6名の看護師経験年数は17年、看護師特定活動平均年数は0.7年であった。面接から得られた逐語録より特定看護師の活動の現状はコード72、最終的に9の〈カテゴリー〉に集約された。特定看護師は研修で学んだ事を用いて〈専門知識を深める行動〉や、部署内では〈スタッフのロールモデル的存在〉となり、共に学んだ〈仲間がいることの安心感〉から、特定行為〈活動に対する積極性〉が見られていた。また、特定行為は相対的医行為となるため〈安心して活動できるための探求〉をしていた。相反して院内の看護師や医師を含めた〈周囲への働きかけ不足〉からくる〈活動の時間・業務調整の困難さ〉を抱き、〈活動に対する消極性〉があった。そして、診療報酬等の病院〈経営に関する知識不足〉も挙げられた。【考察】特定看護師は、安全に特定行為を実施するために継続した知識の習得の必要性を感じ専門的知識を深める行動を実践していると考える。そして、学んだ仲間と共有し活動することは心理的安全にも結びつき、活動に積極性が芽生える要因となったと考える。しかし、活動に消極性も見られていた。研修修了後の活動への期待について組織として明示したものはなかったため、どう活動していいのか模索状態であったと考える。組織の期待を基盤に、特定看護師個々の目標を明確化し活動計画を立案、医師を含めた多職種と連携し行為できる体制を整備することで、安全かつ迅速な看護提供となり、看護の質向上にも繋がると考える。