[ポスターS-8-2] 看護師のストレスに対するマスクへのアロマオイル入りスプレー使用による効果
Keywords:看護師、ストレス、アロマテラピー、マスク、コロナウイルス
【目的】看護師のストレスに対するマスクへのアロマオイル入りスプレー使用による効果を検討する。【方法】研究の趣旨とデータの厳重管理及び研究参加への自由意思、学会や論文投稿の可能性について説明し同意の得られたA病院B病棟に勤務する看護師28名に対し、ストレス反応の測定としてPHRF-SCL[SF]24項目を含むアンケート調査を行った。次に、アロマオイル入りスプレーをマスクの外側に散布し、帰宅してもらった。3カ月実施後再びPHRF-SCL[SF]を含んだアンケート調査を行い、SPSSⓇ Statistics26を用いて分析をした。【結果】PHRF-SCL[SF]の変化について、対応のあるt検定を行ったところ、どの項目も有意差は得られなかった。しかし、アロマオイル入りスプレー実施後の自由記載では、「癒やされた。」「気分が良くなった。」「気持ちが落ち着いた。」などといった、リラックス効果に関しての回答が多数見られ、「香りが持続すると嬉しい。」との意見も少数見受けられた【考察】マスクへのアロマオイル入りスプレーを試みた結果、PHRF-SCL [SF]に有意差はなかった。この要因として、1. アロマの選択2. 持続時間3. 使用方法が関与されたと予想した。柑橘系であるベルガモット・オレンジスイートが好まれ、ラベンダーの香りはハーブ調で嗜好の偏りも大きいため本研究においては好まれなかったと考えられた。また、アロマオイルには「トップノート」「ミドルノート」「ベースノート」に分かれ、香りがどのくらいの速度で揮発するかで分類されている。本研究ではアロマの精油を単剤で使用し一番揮発性の高い「トップノート」に分類されるが、香りの保留剤になる精油を調合することでアロマの香りをより持続させる効果が得られるのではないかと考えられた。また、マスクへの散布にこだわらず、アロマスプレーを部屋や枕に散布するといった使用方法も有効である可能性が考えられた。さらに自由記載からは、気分転換やリフレッシュ、楽しみであったとのリラックス効果に関しての回答が多数得られており、勤務終了後にアロマオイル入りスプレーを使用することで一時的な気分転換が得られていると予測される。これらのことより、研究方法の再検討と対象数を増やすことによってストレス軽減効果が期待できると推測された。