第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 札幌

Presentation information

ポスター

ポスター8群:勤務環境の改善と継続教育

Fri. Sep 2, 2022 9:30 AM - 10:30 AM ポスター会場 (206)

座長:竹之内 卓

[ポスターS-8-3] 職場環境を改善し、職員が働きやすい環境をつくるための取り組み

伊藤 則子, 杉浦 美幸, 平松 克代 (豊川市民病院)

Keywords:職場満足度、業務改善、職場風土、可視化

【目的】A病棟では多重業務に疲弊し、人間関係も希薄となりスタッフの退職が毎年続いていた。2019年度から2021年度までの3年間で職員が働きやすい環境を作るために意図的に関わった事で成果が得られ、職員の満足度が上昇した取り組みを報告する。【方法】期間は2019年度~2021年度までの3年間。対象はA病棟の看護師31名。毎年行っている職員満足度調査を評価指標とし、アンケートの設問による定量分析を行った。2019年度は看護師長と総括主任が行う面談を利用し、スタッフの抱える仕事に対する思いを確認した。抗癌剤治療に携わる看護師不足からくる重責に対し、勤務体制の変更や他病棟へ協力依頼を行った。離職防止を図るため、新人からリーダーになるまでの教育体制は心理的安全を重視し病棟全体で指導を行う環境を作った。ケアの充実を図るため、看護補助者と協力し患者ケアが充実できる仕組みを作った。2020年度は出来ている所を伝え、承認する職場風土を作った。他病棟と比較ができるデータを可視化し、出来ている事を言葉で評価した。2021年度はコロナ禍で他病棟へリリーフに行く機会があり、他部署と自部署の違いをスタッフに問いかけ、自部署の強みを共有した。倫理的配慮:個人が特定されないように匿名に配慮し実施した。B病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得た(審査番号153号)。【結果】職員満足度調査の回収率は100%であった。「総合満足度」では2019年度は0 pt、2020年度は14.8 pt、2021年度は48.4 ptであった。「上司からの適切な指導・監督」では、2019年度は26.9 pt、2020年度は44.4 pt、2021年度は80.6 ptであった。【考察】A病棟では2019年度までの総合満足度の結果は例年一桁であり、看護職の確保・定着の為に職員の満足度を上げる為の関りが最重要項目としての課題であった。2019年度よりスタッフの思いを傾聴と業務改善を繰り返し、2020年度には病棟スタッフから働きやすい環境になったという言葉も聞かれた。しかし、2020年度の職員満足度は思ったより低く、全病棟の中でも最下位だった。そこで、2021年度は他病棟との比較を提示し、出来ていることは言葉にして伝える事で承認欲求が満たされ、スタッフも良い環境であると実感したことが、満足度上昇につながったと考えられる。